「プロテインはトレーニング直後に飲むべき」
筋トレ直後のもっとも筋合成が高いといわれる時間帯、ゴールデンタイムにプロテインを飲むのはもはや常識となっています。
一方、プロテインの摂取タイミングに関する大規模研究では筋肥大とプロテインの摂取タイミングはあまり関係ないという結果が出ています。
この記事ではプロテインの摂取タイミングに関する最近の研究結果についてご紹介します。
この記事を読むと分かること
- ゴールデンタイムは筋肥大に有効か
- ゴールデンタイムを否定する根拠
- 摂取タイミングよりも大切なもの
ゴールデンタイムとは
筋トレを行うとすぐに筋肉の合成が始まります。
そして筋肉の合成量はトレーニング後すぐが最も大きく、時間とともに合成量が減っていきます。[1]
筋トレ後30分~1時間以内をゴールデンタイムと呼び、プロテインを飲むのに最適な時間帯といわれているのです。
実証されているわけではありませんが、鍛えた部位以外の筋肉を分解して、鍛えた部位の材料になってしまうとも言われています。
筋トレ直後は筋肉の分解も活発化してしまうので、ゴールデンタイムにプロテインを飲むことは「筋肉の分解を防ぐ」目的もあります。
ゴールデンタイムを否定する論文
ゴールデンタイムに関する研究のほとんどは筋肉の合成速度に関するものです。
本当に大切なのは「ゴールデンタイムにプロテインを飲んで筋肉が増えるかどうか」です。
今回紹介する研究は、タンパク質の摂取タイミングに関する長期的な試験を行った23本の研究を集めて、統計的に分析したメタアナリシスです。[2]
メタアナリシスとは?
この研究から明らかになった二つの事実がこちらです。
タンパク質摂取に関するメタアナリシス結果
- 長期間(6~21週間)ではトレーニング後1時間以内のタンパク質摂取は重要ではない
- 筋量や筋力は摂取タイミングよりも摂取量が重要
なんと筋肥大にとってゴールデンタイムは重要ではないという結果が出たのです。
これはいったいどういうことなのでしょうか。
なぜゴールデンタイムが重要ではないのか
トレーニング後の筋タンパク質の合成速度の推移はこちらのグラフのようになります。
トレーニング3時間後と24時間後を比べると、3時間後の方が1.3倍合成速度が速まります。
この1.3倍という数値がタンパク質の摂取量の前では小さい値になってしまうのです。
一回あたりのタンパク摂取量が小さいと筋肥大が最大化されず、たとえゴールデンタイムに摂取したとしても筋肥大効果が小さくなってしまいます。
またゴールデンタイムにプロテインを飲まなくても、24時間以内に一回でも多くプロテインを飲めば、それ以上の筋肥大効果を手に入れることができるのです。
タイミングよりも量に気をつける
これまでの内容をもとに、摂取タイミングを気を付けるか否かで筋肉量がどのように変化するかをイメージしたのが次のグラフです。
このグラフはあくまでイメージですが、トレーニング後なるべく早い時間にプロテインを飲むようにすると筋肉量は短期間で増える可能性があります。
しかし長期的にみれば、摂取タイミングを気にしなかった場合と同じ筋量に落ち着いてしまうのです。
長い目で筋肉量を増やしたいと考えたときは、筋合成を最大化するのに必要なタンパク質をしっかり摂取することが大切です。
タンパク質の摂取量を意識しよう!
プロテインを飲む時間を気にすることは短期的には大切なことかもしれませんが、そこを気にする前に適切なプロテイン量を摂取できているか確認しましょう。
筋肥大に重要なのはタイミングではなく摂取量というのが研究により導きだされた結論です。
まとめ
- ゴールデンタイムにプロテインを飲むと筋肉が増えやすいのは「本当」
- 長期的な試験ではゴールデンタイムのプロテイン摂取は筋量に影響しない
- タイミングよりも摂取量を適切にすることが大切
プロテインの摂取量は年齢・体重によって大きく変わります。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた!
参考文献
[1]Enhanced amino acid sensitivity of myofibrillar protein synthesis persists for up to 24 h after resistance exercise in young men.
[2]The effect of protein timing on muscle strength and hypertrophy: a meta-analysis.