強くてたくましい男にはかかせない「握力」
握力を発揮するのは前腕なので、前腕を鍛えれば握力がつくと思っている方も多いかもしれません。
でもこれは間違いです。
前腕を太くみせるのは手首を曲げたり伸ばす筋肉です。
一方で握力を発揮するのは指を曲げる筋肉です。
つまり握力を強化するためには指を曲げる筋肉を鍛えなければいけないのです。
この記事では握力を鍛えられる効率的なトレーニングとセットの組み方について解説します。
▽前腕を太くする筋トレ方法については下記記事を参考にしてください。
前腕を太くする筋トレ方法を解説【効果的なメニュー/セット数/レップ数】
この記事を読むと分かること
- 握力を発揮する筋肉
- 握力を鍛えるコツ
- 握力を鍛えるおすすめトレーニング方法
- 私が1年で握力を35kgアップさせた方法
目次
握力をつけるために必要な筋肉
指を曲げる筋肉
- 浅指屈筋(せんしくっきん)
- 深指屈筋(しんしくっきん)
- 長拇指屈筋(ちょうぼしくっきん)
指を伸ばす筋肉は握力に関係ないので、ここでは省略します。
握力を鍛えるコツ
握力を強化したいのであれば、次の3つのポイントを意識しましょう。
握力を鍛えるポイント
- 最初のトレーニングに握力強化種目をもってくる
- パワーグリップを使わないで背中を鍛える
- 種目数やセット数は少なめにする
最初のトレーニングで握力を鍛える
握力を強化する上で最も大切なのは前腕に疲労がない状態で鍛え始めることです。
筋トレを日常的に行っている人は背中トレや上腕二頭筋トレで前腕に刺激が入ります。
背中トレなどで前腕が疲労した状態で握力を強化する種目を行っても、全力を出すことができません。
強化したい部位はフレッシュな状態で鍛えるのが効率的です。これを筋優先法といいます。
背中トレの日に握力を鍛えるのではなく、別の日にフレッシュな状態で鍛えるようにしましょう。
パワーグリップを使わない
背中トレで行う懸垂やデッドリフトなどは握力を強化してくれます。
特に高重量を扱うデッドリフトは何レップスもやると握力が先にダメになってしまうと思います。
そこでパワーグリップやリストストラップを使って握力を補助してトレーニングを行いますよね。
握力を鍛えたい場合は逆に考えましょう。背中トレであえてパワーグリップを使わないで自然と握力を強化するのです。
ただパワーグリップを使わないと背中トレで追い込めない人も多いと思います。
そこでおすすめしたいのがウォーミングアップだけパワーグリップを使わない方法です。
ウォーミングアップはできるだけ素手でトレーニングすることで自然と握力を鍛えることができます。
一回あたりの効果は小さいですが、長い目でみると大きな違いになります。
種目数やセット数を少なくする
握力を発揮する筋肉はとても小さいです。
背中や胸、脚といった部位と同じように多種目でセット数も多いような鍛え方をしてしまうとオーバートレーニングになってしまいます。
また背中トレでも使われる筋肉なので、疲労が蓄積しやすいこともオーバートレーニングになりやすい理由です。
2種目を限度に行い、セット数は2セットまでにしましょう。
握力を鍛えるトレーニングメニュー
ハンドグリップ
ハンドグリップは握力を強化するために作られた専用の器具です。
強度の違うハンドグリップがたくさん売られているので、初心者から上級者まで幅広く使えます。
ハンドグリップを片手で握って、閉じる⇔開くを繰り返します。
握力を発揮する動作に限りなく近いトレーニングなので、効果は抜群です。
私が1年間で35kgも握力を向上できたのはこの器具のおかげです。
これから握力を鍛えようというはまずハンドグリップから始めてみてください。
日本人の平均的な握力は45kgと言われています。
筋肉を鍛えるには10回以上できる強度を選ばなければいけないため、初めての方は30kgのハンドグリップから試してみてください。
20回以上できるようになったら、40kg→50kg→…と10kgずつ増やしていくといいでしょう。
ビハインド・ザ・バックリストカール
(画像引用元:http://physiqueonline.jp/training/arm/page1811.html)
これはバーベルを使った握力強化方法です。
バーベルを体の後ろで保持して、指先だけでバーベルを持つようにします。
この状態から指を曲げていき、指を曲げ切ったら、さらに手首を曲げます。
前腕に強烈な痛みを感じるほど、刺激の大きい種目です。
握力も鍛えたいし、前腕も太くしたいという方におすすめの種目になります。
ピンチ・グリップ
ピンチグリップは2枚重ねたプレートを指先でつかみ、その状態をキープするトレーニングです。
最大筋力を発揮し続けるアイソメトリクス動作なので、ハンドグリップとは違った刺激を与えることができます。
ピンチグリップ全力でプレートをつかんで、20秒キープできる重さで行いましょう。
プレートを落とすと危険なので、追い込みすぎないように気をつけるか、座った状態で行うといいでしょう。
ぶらさがり
懸垂を行うバーに、指先だけでぶら下がることでも握力を鍛えることができます。ピンチグリップ同様、アイソメトリクス動作になります。
20秒以上ぶら下がれる場合は負荷が足りないので、脚にプレートやダンベルを挟んで重りを追加しましょう。
高重量になってくると脚ではさむのがキツくなってくるので、ディッピングベルトを使うといいです。広い背中を手に入れるために必須の加重懸垂でも使用できます。
ぶら下がりの応用として、最初は指先だけでぶら下がり、限界がきたら、バーを手のひら全体で握って追い込む方法もあります。
握力を強化するプログラム
4つのトレーニング種目を紹介しましたが、握力を素早く鍛えるためにはアイソメトリクスとアイソトニックスの2つを組み合わせる必要があります。
前述した握力を鍛えるコツを加味して、理想的なトレーニングプログラムを考えたので参考にしてください。
握力強化プログラム
- ハンドグリップ10回×2セット
- ピンチグリップ20秒×2セット
上記を週に2回行う
まずはハンドグリップで握る動作を行い、その後ピンチグリップで握った状態を維持する動きをします。
これにより、指を閉じる筋肉を多角的に追い込むことができます。
ハンドグリップ、ピンチグリップともに負荷が足りなくなったら強度を増やすのをお忘れなく!
握力を45→80kgにパワーアップさせた方法
私は高校2年生の1年間ハンドグリップを使って握力を強化しました。
その結果もともと45kgだった握力をわずか1年で80kgまで強化することができたのです。
この時のトレーニング方法は次の通りです。
ハンドグリップのみで握力を強化する方法
- 20回できるかどうかのハンドグリップを使う
- 完全に閉じれなくなるまで行う
- 閉じれるところまで閉じて、そこで20秒間キープ
- 上記を2セット行う
ポイントは筋肉を動かす運動(アイソトニックス)と筋肉は動かさずに筋力を発揮する運動(アイソメトリクス)を組み合わせることです。
普通にハンドグリップを閉じ開きするだけでは、筋繊維全てを疲労させることはできません。
普通に追い込んだ後にアイソメトリクスを行うことで全ての筋繊維を働かせることができるのです。
握力を一度鍛えれば落ちにくい
握力のいいところは、鍛えなくなっても筋力が落ちにくいことです。
6年間まったく握力を鍛えていなかったにも関わらず、久々に測定した握力計で78kgを出すことができました。
指の筋肉は日常的に使う筋肉なので、意識して鍛えていなくても筋力を維持できるのです。
普通の筋トレはやめた途端に筋肉が減っていってしまい、2年もたてば筋トレをする前の体に戻ってしまいます。
握力は一度頑張れば、長い間強いままなので、得した気分になりますよ。
さあ握力を鍛えよう!
握力はきちんとした方法で鍛えれば、一気に強くなることができます。
この記事で説明してきたことをまとめると次のようになります。
まとめ
- 前腕を鍛えるのと握力を鍛えるのは全くの別物
- トレーニングの初めに握力強化種目をもってくる
- 種目数やセット数は少なめにする
- アイソトニックスとアイソメトリクスを組み合わせてメニューを考える
握力を鍛えてみたくなった方は、まずハンドグリップをやりこんでみて下さい。
ハンドグリップも進化していて、最近では負荷調整型のものが販売されています。負荷が調整できないやつを買うと、次々に新しいハンドグリップを買う羽目になります。(私がそうでした。)何個もあると置き場に困りますし、何より高くついてしまうので注意して下さい。
もっと楽しく鍛えたいという方はパワーボールもおすすめです。
遊び感覚で鍛えられるわりには、負荷が高く実用的です。アイソメトリクス動作にあたるので、ハンドグリップとの相性も抜群です。
握力を鍛えて、強い男を目指しましょう!
それではまた!
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前腕を太くする筋トレ方法を解説【効果的なメニュー/セット数/レップ数】
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