ジムに行くと、ピンクやら青色の飲み物を飲んでいる人を見かけることが多くなりました。
ちょっと前まではジムでは水やスポーツドリンクを飲んでいる人ばかりでしたが、最近はトレーニング中の栄養摂取にも気をつける人が多いみたいです。
実は私も長年水だけを飲んできていて、最近になってようやくワークアウトドリンクを飲み始めました。
このワークアウトドリンクを飲み始めてからは、トレーニング中に長時間力を出せるようになり、筋肥大効果も高いと感じています。
この記事では、ワークアウトドリンクがなぜ必要なのかという話から実際に私が飲んでいるワークアウトドリンクの中身を紹介していこうと思います。
この記事を読むと分かること
- なぜワークアウトドリンクが筋トレに必要か
- ワークアウトドリンクの材料と作り方
目次
トレーニング中・後は筋肉の分解が起きやすい
ワークアウトドリンクにいれる成分を説明する前に、そもそも筋トレ中や筋トレ後には体内でどのようなことが起きているのか考えていきましょう。
筋トレはエネルギー源として筋肉内に蓄えられた糖質(筋グリコーゲン)とクレアチンを使用します。
この2つが体内から不足すると、筋肉を分解してエネルギーを取り出そうとする糖新生が起きます。これにより、筋肉が分解されてしまうのです。
さらに糖質をエネルギーに変える際にはビタミンB1が必要になります。ビタミンB1が不足すると、糖質がエネルギーに上手く変換されず、思うように力が出なかったり、集中力がとぎれてしまったりします。
またトレーニングは体にとっては激しいストレスになるので、大量のストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されます。
コルチゾールはアミノ酸の一種であるグルタミンを消費します。そして血中のグルタミンが不足すると、筋肉を分解してグルタミンを取り出そうとします。これによっても筋肉が分解されやすくなってしまいます。
トレーニングで消費する栄養素
- 糖質
- クレアチン
- ビタミン
- グルタミン
ワークアウトドリンクに必要な栄養成分
筋肉の分解を抑えつつ、トレーニング中に100%の力を出すためには次の7つの栄養成分が必要になります。
ワークアウトドリンクに必要な要素
- 糖質
- BCAA
- グルタミン
- クレアチン
- マルチビタミン
- 塩
- 水
それでは一つ一つ簡単に説明していきます。
糖質
糖質は筋トレ中のエネルギー源として非常に重要です。筋トレにより筋グリコーゲンが枯渇すると、糖新生と呼ばれる筋肉の分解が起きてしまいます。
トレーニング後の糖質の効果を確かめた研究では、体重1kgにつき、1gの糖質を摂取することで筋タンパクの分解を抑制できたとされています。(参考文献)
体重70kgの人であれば、ワークアウトドリンクとして70gの糖質を摂取すればいいことになります。
ただ筋分解を抑制するのに必要な糖質量はアミノ酸摂取とも深くかかわっています。
必須アミノ酸と糖質を同時に摂取して調査を行った結果では、被験者の体重1kgあたり、0.5g以下でも筋タンパク分解を抑制できる結果が得られています。
ワークアウトドリンクにBCAAやEAAといったアミノ酸を入れる場合は必要な糖質量をぐっと下げることができます。減量中やダイエット中の方はアミノ酸をワークアウトドリンクに入れましょう。
糖質の必要量
- 糖質だけ:体重1kgあたり糖質1g
- 糖質+アミノ酸:体重1kgあたり糖質0.5g
BCAA
BCAAは体内で合成できない必須アミノ酸のうち、特に筋肉の代謝・合成と密接な関係をもつバリン・ロイシン・イソロイシンの総称です。
BCAAには次のような効果があると言われています。
BCAAの効果
- 筋肉の合成促進
- 筋肉の分解抑制
- 筋損傷軽減
- 血液中の乳酸濃度上昇を抑制
トレーニング中の筋分解を抑えて、トレーニング後の筋合成を促進する筋トレにはなくてはならないアミノ酸です。
血液中に乳酸がたまるのを防いでくれるため、いつもよりも拳上回数が増え、筋肉に与えられるダメージを増やすことができます。トレーニング効果を高めることで筋肥大を助けてくれます。
筋肉に良い効果を得るためには、運動中に2g以上のBCAAを摂取する必要があります。
ワークアウトドリンクには必ず2g以上BCAAを入れるようにしましょう。
BCAAの必要量
- 2g以上
- 成人男性であれば5g以上で効果を最大化
グルタミン
グルタミンはBCAAと違って必須アミノ酸ではありません。したがって体内で合成することができるため普通はサプリメントから摂取する必要はありません。
しかし筋トレを行っている人は筋トレ自体が強いストレスになりグルタミンが大量に消費されます。これによる筋分解を抑えるためにはトレーニング中・後にしっかりグルタミンを摂取する必要があります。
一般的には5gの摂取でグルタミンの効果が得られるとされています。
しかし体重が80kgを超える人やトレーニング時間が2時間以上の人は10gまでグルタミンを増やしても良いです。
グルタミンの必要量
- 通常5g
- ハードなトレーニングをする人や体重が80kgを超える人は10gまで増やしてOK
クレアチン
筋トレのような無酸素運動の場合は運動に必要なエネルギーをクレアチンリン酸系で生み出します。
このクレアチンリン酸系でエネルギーの元となるのがクレアチンです。
クレアチンは普通の食事からも微量に摂取することができますが、何もしなくても尿として排出されてしまうので、食事以外にサプリメントから摂取することが大事です。
特にトレーニング中やトレーニング後は体内のクレアチン量が減ってしまうので、素早く補給してあげる必要があります。
そこでワークアウトドリンクに5gのクレアチンを入れましょう。
クレアチンの必要量
- 5g
- (5g以上摂取しても体に吸収されにくい)
マルチビタミン
トレーニング中にはビタミンB1が消費されるとお話ししましたが、実はビタミンB1以外にも大事なビタミン類があります。
以下にトレーニングに関わるビタミンの名称とその働きをまとめました。
ビタミン類の働き
- ビタミンB1:糖質をエネルギーに変換するのを助ける
- ビタミンB2:脂質をエネルギーに変換するのを助ける
- ビタミンB6:筋肉の再生や合成を助ける
- ビタミンB12:筋肉の再生や合成を助ける
- ビタミンC:抗酸化作用、関節周りの強化
どれも筋トレをする人にとっては大事な役割をもったビタミンです。特に消費が多くなるトレーニング中~後にはしっかりビタミン類を摂取する必要があります。
水
汗をかいたら水分補給をしなさいとよく言われるのは、脱水症状を防ぐためです。
脱水症状はめまいや頭痛だけにとどまらず、最悪の場合死に至る危険があります。
トレーニーにとって驚きなのが水分不足は健康的な問題だけにとどまらず、トレーニングの質を落とす危険があることです。
下のグラフを見て頂くと分かる通り、体の水分が低下すると運動能力が下がることが研究で明らかになっているのです。
(出典:参考文献)
体重の約2%の水が減ると運動能力が落ち始め、3%になると自覚できるほどになります。
少しやっかいなことに、2%減った段階では「喉が渇いたな」と感じる程度の脱水になります。したがって喉が渇いたと感じた時には既に脱水になっていて、トレーニングの質が落ちているのです。
これを防ぐためにトレーニング中は喉が渇いていなくても、種目間、できればセット間に少しずつ水分補給することが大切になります。
水の必要量
- 春・秋:500~1000mL
- 夏:1000~2000mL
- 冬:500mL
汗をかく量によって必要な量が変わるので、上記を参考に調整して下さい。
塩
夏は冷房が効いたジムでもTシャツがびっしょりになるくらい汗をかくものです。
たくさん汗をかいた時の水分補給の大切さはもう分かって頂けたかと思いますが、実はただ水を飲むだけではダメなんです。
その理由は汗に含まれる塩分にあります。たくさん汗をかくと、その分体内から塩分が抜けています。
塩分を摂取せずに水だけ補給しても、体内の塩分濃度を一定に保とうとする作用が働いてしまい、せっかく飲んだ水を体外へ排出してしまいます。
これを防ぐために、たくさんの汗をかいた時は適度に塩分を含んだ水を飲むことが大事になります。
でも注意してほしいのが塩分の摂りすぎです。
汗に塩分は含まれますが、実はたいした量ではありません。大体2リットルの汗に2gの塩が含まれているので、多くて2g、通常は1gをワークアウトドリンクにいれれば十分です。
塩分の過剰摂取は血圧を高め、様々な病気を引き起こしてしまうので気をつけて下さい。
塩分の必要量
- 春・秋:0.5g
- 夏:1g
- 冬:0~0.5g
汗をかく量によって必要な量が変わるので、上記を参考に調整して下さい。
簡単にできる自作ワークアウトドリンク
自作ワークアウトドリンクの材料
前述した栄養素を全て1から詰め込もうとすると、さすがに大変ですが、市販のスポーツドリンクを使うとかなり簡単に作れます。
特に私が好んで使用しているのが「アクエリアス 一日分のマルチビタミン」です。これは糖質と塩分とビタミンB、C、クエン酸が一気に摂取できる優れものです。
糖質量を調整するために、減量中の男性や女性は1/2袋、バルク期の男性や長時間トレーニングする人は1袋入れるようにして下さい。
ワークアウトドリンクの材料
- 水:500~1000mL
- アクエリアスマルチビタミン:1/2~1袋
- グルタミン:5g
- クレアチン:5g
- BCAA:5g
自作ワークアウトドリンクの作り方
上記の材料を全て混ぜ合わせて溶け残りのないようにシェイクしたら、特製ワークアウトドリンクの完成です。
完成したドリンクはアクエリアスの少し黄色がかった色合いで健康を害しそうな感じはしません。
特に海外製のワークアウトドリンクは大量の着色料と人工甘味料が入っているので、その時パワーはでても長期的に飲み続けていいものとは思えません。
自家製ドリンクであれば、ランニングコストをかなり安く抑えられますし、上記のような健康を害す物質も最小限に抑えることができます。
自作ワークアウトドリンクの味
早速自家製ワークアウトドリンクを飲んでみました。
基本的にはアクエリアスの味そのまんまです。しかしBCAAが入っていることにより若干後味が薬っぽい感じがします。
ただ普段普通にプロテインを飲んでいる人であれば、美味しく飲めるでしょう。後味が気になる人は水を多めに入れて、キンキンに冷やすことで気にならなくできます。
ちなみにBCAAを入れないで飲んでみると、癖のある味が消えました。BCAAは粉の状態の時から異臭を放っているやっかいなやつです。
普通の水で割るとかなりまずかったので、アクエリアスがクセをかなり抑えてくれていることが分かりました。
自家製ワークアウトドリンクの味
- アクエリアスの味で美味しい
- 少し後味が薬っぽい
- BCAAを普通の水で割るよりは癖が抑えられていて飲みやすい
自作ワークアウトドリンクの成分
自家製ワークアウトドリンクのカロリーと栄養成分を計算して出しました。
アクエリアス半袋(女性・減量期の男性) | アクエリアス1袋(バルク期の男性) | |
エネルギー/kcal | 150 | 240 |
たんぱく質/g | 15 | 15 |
脂質/g | 0 | 0 |
炭水化物/g | 22.5 | 45 |
食塩/g | 0.735 | 1.47 |
クエン酸/mg | 400 | 800 |
どちらも適切な糖質量と塩分が入っています。これに加えてビタミンB類やCも入っているので、トレーニング中の疲労を軽減し、持続的にパワーを出すことができます。
自作ワークアウトドリンクを飲んでトレーニングしてみた
自作ワークアウトドリンクを飲んで実感した効果
- トレーニング中に疲れを感じにくくなる
- 1時間以上のトレーニングでも集中力が続く
- 最後のセットでもレップ数が落ちにくい
- 筋肥大が速くなる
トレーニングの時は自家製ワークアウトドリンクが必須
質の高いトレーニングをするためには自家製ワークアウトドリンクが必須といっても過言ではありません。
夫婦ともに効果を実感でき、すでになくてはならないものになりました。
トレーニングの後半で力が出ない、集中できないって方には是非作ってみて下さい。
自家製ワークアウトドリンクはこんな方におすすめ
- トレーニングに集中できない
- トレーニングの後半に力が出せない
- トレーニング後の疲れが激しい
- トレーニングを1時間以上行う
- 思うように筋肥大しない
皆さんが良いトレーニングできるように応援しています!
自家製ワークアウトドリンクに必要なもの一覧
①アクエリアス 一日分のマルチビタミン
②クレアチン
③グルタミン
④BCAA
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