あなたは筋トレ前に何を摂取していますか?
プロテイン、BCAA、EAAなどなど色々なサプリメントがトレーニング前に有効だと言われていますが、その中でもカフェインはとりわけ筋トレへの効果が高い成分です。
カフェインはコーヒーから簡単に摂取できるのでサプリメントに頼ることなく手軽に始めることができます。
この記事ではコーヒーやカフェインがもたらす筋トレへの効果をご紹介します。
この記事を読むと分かること
- カフェインがもたらす筋トレへの効果
- コーヒーとカフェイン単独で摂取した時の違い
- 正しい摂取方法
カフェインの筋トレへの効果
筋トレの質を高めたいトレーニーにとって、カフェインは必要不可欠な栄養素になります。
具体的には次の効果を持っていることが科学的に明らかにされています。
カフェインの効果
- 筋疲労軽減
- 筋力アップ
- 脂肪燃焼
それぞれの効果について研究例を元に説明していきます。
筋疲労軽減
まずはカフェインが持つとされる筋疲労軽減効果について文献を紹介します。[1]
研究内容
- 対象:トレーニング経験が1年以上の男性(20.9±0.36歳)
- 種目:ベンチプレス、レッグプレスをそれぞれ3セット
- カフェイングループ:運動前にカフェインを体重1kgあたり5mg摂取する
- プラセボグループ:運動前にプラセボ(偽薬)を摂取する
MAXの80%の重量で限界回数までトレーニングを行い、できた回数を比較した研究です。
下のグラフがベンチプレスの拳上回数の比較になります。
左側のグラフは各セットごとに持ち上げられた回数で、右のグラフは1~3セットまでの合計拳上回数です。
セットごとにみても、トータルで見ても明らかにカフェインを摂取した方がベンチプレスの回数が伸びています。
カフェインを摂取するだけで、約12%も拳上回数を増やすことができるのです。
レッグプレスでも同様の結果が出ており、こちらはカフェインを摂取したグループの方が19%も多く回数をこなせました。
これらの効果はカフェインが直接筋肉に働きかけているのではなく、脳に作用しています。
私たちの体は疲労を感じるとアデノシン受容体が脳の神経細胞にはたらきかけて、細胞の働きを抑えます。しかしカフェインをとることで、アデノシン受容体の活動を抑制して、脳が疲労を感じにくくなるのです。
その結果、カフェインを摂取しないときと比べて、トレーニングで拳上できる回数が増えたと考えられています。
カフェインを摂取していないときに比べて、拳上回数が増えたということは、それだけ筋繊維を疲労させることができたことになります。
より多くの筋繊維を疲労させることは筋肥大に繋がるので、「カフェイン=筋肥大に有効なサプリメント」と言えるでしょう。
ポイント
トレーニング前にカフェインを摂取することで、レップ数が増え、トレーニングボリュームが増える
筋力アップ
筋疲労を軽減して、レップ数を増やすことは分かりました。
続いてこんな疑問が出てきます。「筋力はどうなるのだろうか?」
カフェインの筋力への影響もすでに研究で明らかになっているのでご紹介します。
研究内容
- 対象:トレーニング経験のある男性
- 部位:大腿四頭筋
- カフェイングループ:測定前にカフェインを体重1kgあたり8mg摂取する
- プラセボグループ:運動前にプラセボ(偽薬)を摂取する
カフェイン摂取の1時間後に大腿四頭筋の最大筋力を測定した研究です。
下の図が大腿四頭筋トルク(最大筋力)の結果です。
この結果を見る前に、まずはトレーニング動作の種類について学んでいきましょう。
筋肉が力を発揮する際は次の3パターンの動作があります。
トレーニング動作の種類
- Isometric(アイソメトリック):筋肉の伸展・収縮が起きないが筋力を発揮する動作
- Concentric(コンセントリック):筋肉が縮みながら収縮する動作
- Eccentric(エキセントリック):コンセントリックの反対で筋肉が伸びながら収縮する動作
アームカールをするときにダンベルを持ち上げる時は筋肉が縮んでいるのでコンセントリックで、ダンベルをゆっくり下におろすときは筋肉が伸びながら収縮しているのでエキセントリックになります。
前置きが長くなってしまいましたが、カフェインを摂取することで、全ての筋活動で最大筋力が増加していることが分かります。
このことからカフェインは筋力アップにも一役買ってくれることが分かりました。
ポイント
トレーニング前のカフェインは最大筋力をアップしてくれる
カフェインはコーヒーから摂取するとより効果的
このコーヒーとカフェインの筋トレへの影響を調べたこの論文では、無水カフェインでの摂取よりもコーヒーの方が総負荷量が多くなる結果が出ています。下のグラフはベンチプレスの総負荷量を表しています。
効果が高い順に、デカフェ+カフェイン>コーヒー>カフェインとなっており、コーヒーの有用性が分かって頂けるかと思います。
カフェイン単体ではダメでも、デカフェ+カフェインにすることで効果が見られたので、液体になることで腸での吸収が促進され効果が高まると考えられます。
カフェインのサプリメントを持っている方は多めの水と一緒に摂取すると良いでしょう。
しかしコーヒーは最近になって美容にもいいと話題になるなど、抗酸化作用をもつポリフェノールが多く含まれています。
筋トレは体に強い負荷をかけ、酸化を進めてしまうので、抗酸化作用をもつコーヒーからカフェインを摂取することをおすすめします。
コーヒーの効果的な飲み方
コーヒーを摂取してから、効果がでるまで最低でも30分かかります。
また摂取したカフェインの効果が薄まるまでには3~4時間かかるので、トレーニング1時間前に摂取すると完璧です。
一度に摂取するカフェイン量は、体重1kgあたり3~5mgが適切と文献ではあります。
体重60kgの人であれば、180~300mgのカフェインが必要になります。
これはコーヒーで換算すると、300mL以上になります。
私たち夫婦はブレンディスティックをトレーニング前に飲んでいます。
ブレンディは冷たい水や牛乳にも溶けるし、一本当たりカフェイン110mgと決まっているのでいちいち測る手間もなくて便利です。値段も非常に安いので、家計にも優しいです。
また牛乳で割ってしまうとカフェインの効果が弱くなることが分かっています。
筋トレ効果を最大限高めるために、トレーニング前はブラックでコーヒーを飲むようにして下さい。
筋トレに効果的なコーヒーの飲み方
- トレーニング1時間前に飲む
- カフェインは体重1kgあたり3mg以上摂取する
- 牛乳で割らずにブラックで飲む
最後に
トレーニング前にカフェインを適量摂取することで、トレーニング時のレップ数増加&使用重量の増加が期待できます。
トレーニングの質が高まり、早く筋肉をつけることができるため、トレーニングには必須の栄養素です。
とりわけコーヒーはカフェインを効率的に吸収でき、健康成分も豊富です。
あなたも是非トレ前のコーヒーを試してみて下さい。
それではまた!
▽一家に一台ネスレがあると捗りますよね。我が家は置き場がなくて買えませんが。。
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参考文献
[1]Effects of Acute caffeine ingestion on resistance training performance and perceptual responses during repeated sets to failure.