チーティングと聞くとあまり良いイメージを持たない方が多いかもしれません。
実際ジムでチーティングをしている人を見ていると、対象筋に負荷が乗っていないことがほとんどです。
でもこのチーティングを上手に使うことで、いつもより更に筋肉を追い込むことができます。
この記事ではチーティングの効果と正しいチーティング方法について説明していきます。
この記事を読むと分かること
- 良いチーティングと悪いチーティングの違い
- チーティングで筋肉はデカくなるのか
- チーティングの正しい使い方
チーティングとは
「チーティング」を日本語訳すると「反則、ズル」といった意味があります。
筋トレでいうと本来鍛えたい筋肉(対象筋)を使わずに、反動や他の筋肉を使って重りを上げることを指します。
たとえば、上腕二頭筋を鍛えるバーベルカールをやっている際に上半身を前後させて勢いをつけてバーベルを持ち上げる行為はチーティングにあたります。
ほかにもサイドレイズでボトムの切り返しの際に膝を屈伸して勢いをつけるのもチーティングです。
チーティングで筋肉を追い込むメカニズム
チーティングはズルという意味があるように、あまりいいイメージを持たない人が多いです。
しかしチーティングはすべてが意味のないトレーニングではなく、上手に使えばいつものトレーニングをさらに有意義なものにできます。
以前、筋肥大メカニズムに関する記事の中で説明しましたが、筋トレをして筋肉を大きくするには、適切なストレスを与えなければいけません。
体がストレスを感じれば、必ず筋肥大のスイッチは押されます。
しかし私たち人間は、死の危険を感じない限り最大の力を出すことができないため、筋肥大に必要なストレスを得るのは簡単なことではありません。
私たちがどれだけ力を振り絞っても心理的限界によって、本来持っている力の80%以下しか出せないと言われています。火事場の馬鹿力と言われるのは、心理的限界によるリミットが解除されて本来もつ100%近い力できることを言います。
一人だとどうしたって心理的限界で力が入らなくなるので、そう簡単に体にストレスを与えることはできないのです。
この心理的限界を打破するのが「チーティング」です。
もう上がらない!となったときに、体の反動を使って無理やり持ち上げてしまうことで、普段は得られない強烈なストレスを筋肉に与えることができるのです。
そして体はこのストレスの適応しようとして筋肥大を促します。
チーティングで筋肥大が起こるメカニズム
キレイなフォームで限界回数までトレーニングをしても筋肉にはストレスがあまりかかっていない(心理的限界のため)
↓↓↓
キレイなフォームで限界までやったあとにチーティングを使うと筋肉にストレスが加わる
↓↓↓
体がストレスに適応しようとして筋肥大が起こる
正しいチーティング方法
正しいチーティングを理解するために、悪い例と良い例を見ていきましょう。
悪いチーティング例
バーベルカールを例に挙げていきます。
まずは、1レップ目から反動を使っているケースです。
上半身を前後させたり、上腕を前後させて反動でバーベルを持ち上げてしまうと、背筋や三角筋が主動筋なってしまいます。
これでは狙いとした上腕二頭筋への負荷が入らず、トレーニングの意味がなくなってしまいます。
ではなぜ反動を使ってしまうのでしょうか。
この場合は設定重量を間違えている可能性が高いです。
筋トレは重ければ重いほどいいわけではなく、フォームを乱さない範囲でなるべく高重量を扱うことが大切です。
思い当たる方はぜひ次のトレーニングでは1段階重量を下げてトレーニングしてみてください。
続いては設定重量は適切で反動を抑えてトレーニングできているにも関わらず、限界が来たところでチーティングを利用し、反動をつけてバーベルを持ち上げて、そのまま重力に従って降ろして、を繰り返している場合です。
反動を使ってバーベルを持ち上げるところまでは良いのですが、ネガティヴ動作で力を入れていないのであれば、わざわざチーティングを使って追い込む必要はありません。
チーティングを使う時は、あくまで持ち上がらない領域だけです。
反動を利用してバーベルを持ち上げたら、そこからはしっかり上腕二頭筋を使ってゆっくりバーベルを下ろしましょう。
正しいチーティング例
悪いチーティング例を理解したところで正しいチーティング例も見ていきましょう。
ここではサイドレイズを例に挙げます。
サイドレイズをまずは反動を使わないストリクトな動作で行います。
そして持ち上がらない、もしくは肩をすくめて僧帽筋を使わないとダメだと感じたところで、膝の屈伸もしくは上半身を傾けた勢いでポジティブ動作を行います。
そしてネガティブ動作はゆっくりと三角筋中部を意識してダンベルをおろします。
↓ 動画では4レップス目から反動を使って持ち上げていることが分かります。
また少し上級者のテクニックになりますが、1レップ目からボトムポジションで若干反動を使うのも正しいチーティングになります。
サイドレイズでは、ボトムの切り返し部分では三角筋中部の働きが弱まり、ローテーターカフが主動筋になります。
これでは狙いの三角筋中部に刺激が入らないため、ローテーターカフが働く部分でチーティングをしましょう。
注意点として、ポジティブ動作全部を反動で上げてしまいがちですが、ボトムの切り返し部分だけチーティングを使うようにしましょう。
そしてネガティブはなるべくゆっくり効かせることを意識しましょう。
筋肥大を促進するチーティングのやり方
正しいチーティング例のところで紹介した通り、まずは反動を使わないでストリクトな動作で行います。
そして限界がきたら、反動を使ってポジティブ動作を行い、ネガティブだけ効かせるようにします。
これを3回繰り返せば、いつもは味わえない強烈な筋肉の痛みを感じることができるはずです。
追いこむためのチーティング方法
- 反動を使わないで8~10回できる重さをセットする
- なるべくストリクトな動作で限界まで反復運動を行う
- 限界がきたら、反動を使ってポジティブ動作を行う
- ネガティブは力が抜けないようにゆっくり行う
- 3~4を3回行う
- セット終了
なおこの方法は筋肉への負荷が大きいので、最終セットのみに使うのが基本です。
チーティングを多用すると筋肉が疲労しすぎる「オーバートレーニング」という状態になってしまいます。
このオーバートレーニングは筋肉を増やすどころか減らしてしまう危険もあるので注意しましょう。
トレーニング後は十分な休養をとる
チーティングを上手に使いこなすことができれば、いつも以上に筋肉にストレスを与えることができます。
それゆえにトレーニング後の休養も大事になります。
トレーニングを行った後に、十分な栄養と、十分な休養を体に与えることではじめて筋肥大が起こります。
トレーニングだけでなく、食事と休養をおろそかにしないように気をつけましょう。
筋肥大を促す疲労回復法
- トレーニング後にホエイプロテインを飲む
- トレーニング後に吸収の早い糖分を摂取する
- トレーニング後48時間は高タンパクな食事をとる
- 8時間睡眠を心がける
- 午後10時~午前2時はなるべく寝るようにする
これでもなかなか疲れがとれないという方はビタミン・ミネラルやグルタミンを摂取してみて下さい。
わたしは毎日のビタミン・ミネラル摂取、トレーニング後のグルタミン摂取で、トレーニング後の疲労を大きく軽減できました。
筋トレの疲労回復法も記事にしているので参考にしてください。
それではまた!