ウェイトトレーニングに欠かせない「トレーニングベルト」を正しく使えていますか?
上手に使えばケガを防ぎつつ、高強度のトレーニングができ、筋肥大にとっても筋力アップにとっても有効です。
ですが間違った使い方をしてしまうと、ケガのリスクを高め、筋トレ効果も下げてしまう危険性があります。
この記事ではトレーニングベルトの基本的な使い方を徹底的に解説し、次にトレーニングする際にはベルトの効果を最大限にできるようにサポートします。
この記事を読むと分かること
- トレーニングベルトの役割
- トレーニングベルトの正しい使い方
- ベンチプレスには使うべきか?
- 目的別の選び方
目次
トレーニングベルトの役割
トレーニングベルトはウェイトトレーニングの際に体幹を安定させるために使われる補助アイテムです。
ベルトを締めた状態で息を大きく吸い込み腹筋に力を入れることで、腹腔内圧を高め、体幹の安定性が増します。
下の図を見てもらうと分かる通り、息を大きく吸い込むことで、横隔膜が下がり収縮します。こうすることで腹圧(お腹の中の圧力)が高まります。
(画像URL:https://www.msdmanuals.com)
さらにベルトをお腹に巻くことで、横隔膜が下がりやすくなるので腹圧を高めやすくなるのです。
デッドリフトやスクワットなど脊柱が折れ曲がる方向に力が加わる種目の際に体幹を真っ直ぐに固定してくれます。
特にデッドリフトは腰を痛めやすい種目なので、高重量を扱う際は必ず使用しましょう。
トレーニングベルトの使い方
トレーニングベルトの効果を高めるために基本的な使い方をマスターしましょう。
トレーニングベルトの使い方
- 締める位置:へそ下
- 締め方:大きく息を吸ってからキツく締める
- 締め具合:レップ数に応じて変える
一つ一つ詳しく見ていきましょう。
ベルトの締める位置
ベルトを締める位置を間違えると腹圧を十分高めることができません。
ヘソの少し下にベルト中央がくるようにしましょう。
ベルトの締め方
ベルトを締める位置が決まったら、大きく胸を使って息を吸います。胸を開くように吸うとウエストを細めることができます。
息を吸った状態でヘソ下をギュッと締めましょう。
ベルトをきつく締めれば締めるほど、腹圧は高まり体幹が安定するので、扱う重量によって締め具合を調整するのがベストです。目安として次のようにすると良いでしょう。
ベルトの締め具合
- 1レップだけ行うとき:限界まできつく締める
- 複数レップス行うとき:限界よりきもち緩めに巻く
インターバル中は外す
トレーニングベルトを締めている状態では呼吸が難しくなるため、インターバル中は必ず外すようにしましょう。
内臓への負担にもなるので、セットが終わったらすぐ外すクセをつけて下さい。
トレーニングベルトに関するQ&A
ベンチプレスにベルトは必要?
A.MAX以外は不要
トレーニングベルトの役割のところで説明したとおり、脊柱が曲がってしまう動作の時にベルトは有効になります。
ベンチプレスの動作では基本的に脊柱に大きな負荷がかかることはありません。
したがってトレーニングベルトを使う必要性は低いです。
ただパワーリフティング選手のように背中を大きく反らせてベンチプレスを行う場合は腰に無理な負荷がかかる場合があります。
またMAX重量にチャレンジするときは体幹を固定させた方が重量を伸ばせるかもしれません。
逆にベルトがあることで呼吸が浅くなり、レップ数が下がったり、最後のひとふんばりができなくなります。
普段のトレーニングではベルトを外すようにした方がトレーニングの質が高くなり、自力を鍛えることができます。
毎セットベルトをつけるべき?
A.メインセットのみベルトを締める
トレーニングベルトは体幹を補助する効果があります。言い換えると、トレーニングベルトをして行うトレーニングでは体幹は鍛えられないことを意味します。
強いパワーは強い体幹から発揮されます。
体幹が弱い体では扱える重量が限られてしまいます。
そこでウォーミングアップなどメインセット以外のセットではベルトを締めずに行いましょう。
パワーリフティングの元世界王者であるMatt wenningさんも重量を伸ばしていくためにベルトはなるべく使わないようにしていたと話しています。
彼のトレーニングベルトの使い方は良く考えられており、セットを重ねて重量を増やすたびにベルトをキツく締めていく方法を実践していました。
ベルトの補助をなるべく減らしつつ、怪我のリスクも減らせるので、非常に有効なベルトの使い方です。
Matt式ベルトの使い方
- 1セット目(アップ×軽):ベルトを使わない
- 2セット目(アップ×重):ベルトの穴を1つ緩めて装着
- 3セット目(メイン):ベルトの穴を限界まできつく締めて装着
トレーニングベルトの選び方
トレーニングベルトを選ぶ際は、素材・ベルト幅・装着方式の3つを考える必要があります。
おおまかに分類すると「女性・男性初心者向け」と「ボディメイク向け」、「パワーリフティング向け」の3つにわけることができます。
トレーニングベルトの選び方
- 女性・男性初心者:ナイロン製・細め・マジックテープ
- ボディメイク用:革製・細め・ピン
- パワーリフティング用:革製・太め・レバーorピン
女性・男性初心者向け
女性やトレーニング初心者の場合は扱う重量が比較的軽いので、安価で締め具合を調整しやすいナイロン製ベルトがおすすめです。
マジックテープで締めるタイプなら、ピンタイプよりも微調整が効くため、より体にフィットにフィットさせることができます。
ボディメイク向け
ボディメイクでは8〜10レップスのトレーニングがメインになります。
パワーリフティングのような高重量は扱わず、レップ数も多いことを考えると、ホールド力がそこそこありながらも使いやすいベルトがおすすめです。
また素材は革製を必ず選ぶようにしてください。高重量を扱う場合はナイロンでは耐久性に欠けてしまいます。
ウェイトリフティング向け
ウェイトリフティングは限界に挑戦していく競技なので、怪我のリスクを最小限に抑えつつ高いパフォーマンスを発揮するために強いホールド力のあるベルトを選びましょう。
ベルトの幅が広いほど腹圧を高めやすいです。
またピンではなくレバータイプの方が簡単にキツく締めることができます。
このSBDのレバータイプベルトはベルト幅が広く、レバーなので簡単に着脱可能です。
またレバータイプはベルト長さの調整が難しいという欠点がありますが、このSBDは簡単に長さを調整できる機構になっています。その日の体調に合わせて簡単に変えられるのはストレスフリーです。
トレーニングベルトを上手に活用しよう
トレーニングベルト1つとっても意外と奥が深かったですね。
ジムではよくトレーニングベルトに頼り切っている人を見かけますが、真の強さを鍛えて、より高重量を扱うためにはベルトに頼りすぎるのはよくありません。
かといって、腰に不安があるのにベルトを使わないと思わぬケガにつながってしまいます。
どちらかに偏りすぎることなく、上手にベルトを利用しましょう。
今回お話した内容を元に、今一度ベルトの使い方を見直してみてください。
まとめ
- 脊柱が折れ曲がる方向に力がかかる種目でベルトは有効
- ベンチプレスでは基本的に必要なし
- 高重量を扱うときはベルトを必ず締める
- ウォーミングアップでは体幹を鍛えるためにベルトをゆるめて使用する
- ベルトは目的別に選ぶ
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた!
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