ダイエット 知識

ダイエット中に筋肉が落ちるのを防ぐ方法とは?正しい減量法を科学的に解説

 

ボディメイクの醍醐味はカッコいい身体を作ること。

そのためには筋トレで身体にメリハリを出すだけでなく、体脂肪を落として綺麗なアウトラインを作ることが大切です。

でも筋トレをしていると、せっかくつけた筋肉が落ちてしまうのが怖くて、なかなかダイエットに踏み込めません。

 

ダイエット=筋肉が落ちるというのは、半分正解で半分間違いです。

ダイエット中に筋肉が落ちやすい状態にあるのは確かですが、しっかりケアしてあげることで防ぐことができます。

 

この記事ではダイエットで脂肪が落ちる原理やエビデンスで明らかになっている筋量を維持したまま減量する方法をご紹介します。

 

この記事を読むと分かること

  • ダイエットで脂肪や筋肉が落ちるメカニズム
  • ダイエット中に筋肉を落とさない方法

 

ダイエットの基本

 

まずはダイエットの基本中の基本「減量の仕組み」について説明していきます。

 

あなたもご存知の通りダイエットは、消費カロリー>摂取カロリーにならないといけません。

消費カロリーが摂取カロリーを上回ることで、人間はエネルギーである糖や脂質が枯渇状態になります。すると「肝臓」、「筋肉」、「脂肪」の3つに貯蔵されているグリコーゲンを分解し、ブドウ糖に変えてエネルギーを補給します。

(消費カロリー)-(摂取カロリー)が大きくなればなるほど、人間はエネルギーを必要とし、グリコーゲン分解が進みます。

 

摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やすことで、体脂肪をエネルギーに変えることが減量の基本です。

 

カロリー制限をすると脂肪だけでなく筋肉も分解されやすくなる

人間がエネルギー不足に陥った時に、エネルギー源となるグリコーゲンが貯蔵されているのは「肝臓」「筋肉」「脂肪」の3つだとお話ししました。

このグリコーゲンが貯蔵されている中でもっともエネルギーに変わりやすいのが肝臓のグリコーゲンで、2番目が筋肉です。

そしてもっともエネルギーに変わりにくいのが脂肪です。

つまり普通にダイエットしてしまうと、脂肪よりも筋肉が優先的に分解されてしまうのです。

 

筋肉が落ちてしまうと代謝が落ちリバウンドしやすい身体になってしまいます。それにボディメイクをしている人にとって、せっかく手に入れた筋肉が分解されてしまうのは何としてでも避けたいことです。

 

ポイント

  • 肝臓 > 筋肉 > 脂肪の順番でエネルギーになりやすい
  • 単にカロリー制限すると、脂肪は燃焼されず、筋肉が分解されてしまう

 

上記のことを踏まえて、ダイエット中に筋肉が落ちない方法を見ていきましょう。

 

ダイエット中に筋肉が落ちるのを防ぐ方法

筋トレを続ける&強度を落とさない

 

筋肉が分解されてしまうことを防ぐには、筋肉の合成量を増やすことが大事です。

人間の体は常に筋肉を分解し、再合成しています。このバランスが傾くと筋肉が減ったり、増えたりします。

ダイエット中に筋分解が起こりやすいのであれば、筋合成をたくさん起こしてあげれば、筋肉量は維持できます。

 

ダイエット中に力が出ないからといって、トレーニングメニューをいつもよりゆるくしてしまうと、筋合成は起こりません。

何故なら筋肉が増えるメカニズムはストレスに対する適応反応だからです。

筋肉にストレスを与えなければ、筋合成は起きないのです。

 

よくダイエット中は脂肪燃焼を促進するために、筋トレは低重量で高回数行う人を目にしますが、これでは筋肉の分解が進む一方です。

実際プロボディビルダーの山岸選手も「減量中だからといってトレーニング強度は落とさない」を話しています。

ただ減量末期になってくると、エネルギー不足で力がでず、普段通りのトレーニングができなくなってくると思います。その場合でも同じ重量で行い、自然とレップ数が下がる分には問題ありません。

 

意図してトレーニング強度を落とすのはやめましょう!

 

▽筋肉が増えるメカニズムについては下記記事で詳しく説明しています。

筋トレの超回復理論は嘘?筋肥大メカニズムを知りトレーニングに活かす

 

タンパク質を十分摂取する

 

ハードな筋トレをしたら、必ずタンパク質を摂取しましょう。

平常時の筋分解と筋合成のバランスを支配するのは血中のアミノ酸濃度です。

アミノ酸濃度が下がると筋肉を分解してアミノ酸を取り出そうとしますし、逆にアミノ酸濃度が高いとアミノ酸を使って筋肉を合成しようとします。

 

常に血中のアミノ酸濃度を高めにしておきたいので、タンパク質は小まめに十分な量を摂取しましょう。

 

筋肥大に有効なタンパク質の摂取量は体重の1.5~3倍のグラム数と言われています。

ダイエット中に筋肉を維持するには特にタンパク摂取が大事になるので、2.5倍は摂るように心がけて下さい。

 

減量ペースをゆっくりにする

 

減量ペースを早くすると、いくらタンパク質を多くとっていても筋肉が分解されやすくなってしまいます。

不足するエネルギーが少しであれば脂肪分解によるエネルギーで足りますが、全然足りないと脳は今すぐエネルギーをくれ!と言わんばかりにあらゆる方法でエネルギーをかき集めます。

もともと筋肉は脂肪よりも分解されやすいので、減量ペースを速めると筋肉量を維持することが難しくなります。

 

実際に減量ペースの違うグループで体重・体脂肪・筋肉の変化を調べた研究があります。(参考文献

24人のアスリートを対象に減量ペースが速い群と遅い群でに分けられ、減量前後での変化量を調べた結果が次のグラフになります。

このグラフをみると、減量ペースが遅い方が体脂肪を多く落とすことに成功しています。そして筋肉量もわずかながら増やすことができています。

この研究では、減量の遅いグループは体重×0.7%/週、減量の速いスループは体重×1.4%/週で体重を落としているので、筋量を維持しつつ脂肪を効率よく落とすためには、一週間に体重の0.7%の体重を落とすことが大事であることが分かります。

 

ただ実際にダイエットをするときは食事管理で体重を落とすことになるため、体重目標では少々分かりにくいです。

そこで体重ではなくカロリーに直すと、一日に必要なカロリーを20%減らせば、だいたい一週間に体重の0.7%の脂肪を落とすことができます。

 

これを踏まえてダイエット中のカロリーとマクロ計算をできる記事を作成したので参考にして下さい。

▽下記記事の自動計算で「ダイエット」を選択して下さい。

【自動計算】筋トレやダイエットに必要なマクロ栄養素を個人に合わせて計算

 

過度な有酸素運動をしない

 

有酸素運動はたくさんのエネルギーを消費するため、体中の糖や脂肪を燃焼します。

糖や脂肪だけを燃焼してくれればいいのですが、この時同時に筋肉を分解してエネルギーを取り出そうとします。

筋トレであれば筋肉が多少分解されても回復過程で筋合成が活発化し全体でみると筋肉が増えますが、有酸素運動の場合はそうはなりません。

有酸素運動は強度が低いため、脳が筋肉を増やす必要性を感じず、筋肉を増やそうとしないからです。

したがって有酸素運動をすればするほど、筋肉の分解が進んでしまうのです。

 

そうはいっても減量を続けていると体脂肪が落ちにくくなってくるため、有酸素運動はダイエットの最後の手段として有効です。

長時間におよぶ有酸素運動は、体内のエネルギーを枯渇させ、筋分解を進めるので、短時間かつ低強度の有酸素運動を複数回に分けて行うと筋肉が犠牲にならずに済みます。

例えば1時間のウォーキングを一日に二回行う程度であれば、筋肉は分解しにくいと言えます。

 

まとめ(ダイエット中に筋肉が落ちるのを防ぐ方法)

ダイエット中に筋肉が落ちるのを防ぐ方法を4つご紹介しました。ここで一度おさらいしましょう。

 

ダイエット中に筋肉が落ちるのを防ぐ方法

  1. 減量中でも筋トレ強度を落とさない
  2. タンパク質を体重×2.5g摂取する
  3. 減量ペースはゆっくりにする(摂取カロリーを消費カロリーの80%にする)
  4. 過度な有酸素運動をしない

 

減量中は筋肉が分解されやすい状態になっているので、筋肉の原料となるタンパク質を多く摂取し、過度なエネルギー不足に陥らないように気を付けることで、筋肉量を維持しつつ、脂肪だけを落とすことができます。

 

SASAMI
ダイエットだからって筋肉が減るって諦めてしまうのは勿体ないよ!正しいダイエットなら筋肉を維持しながら脂肪だけを落とすことができます

 

最後に

「ダイエット中に筋肉が落ちてしまうこと」は私を始め、ボディメイクしている人がもっている多くの悩み事です。

 

ダイエットのメカニズムを考えると、短期間で一気に体重を落とすことを目指すと筋肉が落ちやすいです。

実際、筋肉が落ちたと感じる人の多くは、ダイエットを2週間といった短期間で完了させたり、ランニングを長時間行ったりしている場合がほとんどです。

プロのボディビルダーは3か月~6か月もの時間をかけてゆっくり減量することがほとんどです。

焦らずゆっくり、そしてタンパク質をたくさん摂取することで、筋肉を維持しつつ絞れたカッコいい身体を手に入れましょう。

 

それではまた!

 

▽減量中はカロリーや栄養バランスが管理された筋肉弁当があると便利です。


栄養満点でPFCバランスも計算されて作られているので、ボディメイクにはもってのこいです。少々値段が高いですが、非常に美味しく、手軽に減量できるので、私は冷凍庫に常備しています。

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