SNSやYoutubeの普及に伴って、数えきれないほど多くのトレーニングメニューが世に出回っています。
それも発信者はトップフィジーカーやボディビルダーが多く、彼らがおすすめするメニューを取り入れることでトレーニングの質を上げることができます。
でも気をつけてほしいのが、彼らの肉体は特殊なトレーニング方法だけで作られたものではありません。その大きな筋肉のほとんどは一般的に知られているトレーニング方法で出来上がった物です。
そしてバルクのある筋肉をつけたうえで、それぞれの弱点に応じた細かいメニューを取り入れています。たとえばカットを強く出すためにストレッチ種目を取り入れたり、小さな筋肉群をターゲットとしたメニューを取り入れたりと。
トップ選手が公開しているトレーニングは、初心者にもお勧めできるものから上級者向けのメニューまで様々あります。
筋肉量が少ないトレーニング歴2年目までの方は上級者向けメニューよりもベーシックなメニューを極める方がはるかに効率的に筋肉を増やすことができます。
この記事では、ボディメイクにおいて最低限行いたいトレーニングメニューを何故その種目なのかを解説しながらご紹介します。
今回紹介するメニューをマスターすれば、最短で良い身体を手に入れることができます。
目次
大胸筋を最短で鍛えるメニュー
大胸筋を効率よく筋肥大させるメニューは以下の3種目です。
大胸筋を最短で鍛えるメニュー
- ベンチプレス
- インクラインベンチプレス
- ケーブルフライorダンベルフライ
ベンチプレス
ベンチプレスは大胸筋を鍛える王道種目であり、最も高重量を扱える種目なので早く筋肉をつけたい場合は必ず取り入れましょう。
大胸筋全体に強い刺激が入るので、全体の筋肉量を増やしたい時に有効な種目です。
バーベルでもダンベルでも構いませんが、重量の伸びを楽しみたいのであればバーベルをおすすめします。
筋トレをしていると周りからベンチ何キロ?なんてよく聞かれるようになるので、普段からバーベルベンチプレスを行っていればドヤ顔で答えられますよ。
インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスも必ず取り入れて欲しい種目です。
初心者はフラットのベンチプレスで大胸筋を追い込むことが大事ですが、ある程度ベンチプレスの重量が伸びたら、インクラインベンチプレスを取り入れましょう。
目安はベンチプレスのMAX重量が80kgを超えた時です。ここまでくると大胸筋が目で見てわかるくらい盛り上がってきます。
通常のベンチプレスは大胸筋中部〜下部にかけて最も刺激が入りやすいので、ある程度大胸筋がついてくると上部の盛り上がりが足りないことに気がつくはずです。
かっこいい逆三角形ボディには肩からつながる大胸筋上部の盛り上がりが必要不可欠です。下部ばかり発達してしまうと、垂れ下がったかっこ悪い大胸筋になりかねません。
ただ繰り返しになりますが、筋トレ初期のころは必要のない種目です。
まずは大胸筋全体のボリュームアップのために、フラットベンチプレスで追い込むことを心がけて下さい。
ケーブルフライ
ベンチプレス、インクラインベンチプレスより優先順位が下がりますが、フライ系種目は大胸筋をより肥大させるのに有効な種目です。
重量は扱えませんが、ベンチプレスよりも広い可動域でストレッチを聞かせることができるため、大胸筋のカットを深くする効果も期待できます。
おすすめはケーブルを使用したケーブルフライです。
ケーブルであれば胸を目一杯広げたストレッチ状態から、胸を完全に収縮するところまで可動域全域で負荷が抜けません。
一方のダンベルフライはストレッチを効かせることに適しているものの収縮状態では負荷が抜けてしまいます。
自宅でトレーニングを行っている場合はダンベルフライにプラスしてチューブを使用したフライを行うことで収縮を意識したトレーニングが可能になります。
背中を最短で鍛えるメニュー
背中を効率よく筋肥大させるメニューは以下の3種目です。
背中を最短で鍛えるメニュー
- 懸垂orラットプルダウン
- デッドリフト
- ダンベルローイング
背中は大胸筋と異なり大小様々な筋肉が存在するため、トレーニングメニューが非常に豊富です。
しかし最短でかっこいい逆三角形ボディを手に入るために必要な種目はそこまで多くありません。
厳選したメニューを見ていきましょう。
懸垂(チンニング)
まず最も大事な種目が懸垂(別名チンニング)です。
数ある背中の筋肉の中でも1番大事な筋肉は「広背筋」です。この広背筋を効果的に鍛えられるのが懸垂なのです。
広背筋は背中の外側にある筋肉なので、逆三角形ボディと密接な関係があります。
この筋肉が肥大すれば、背中が大きくなり、ウエストとの対比で綺麗な逆三角形を見せることができます。女性の方でもウエストを細く見せるために大切な筋肉です。
また懸垂は広背筋だけでなく、上腕二頭筋や大円筋、僧帽筋といった背中全体を鍛えられる種目でもあります。
背中の広がりだけだと思われがちですが、実は厚みを出すこともできます。
ただ初心者トレーニーの多くは懸垂が一回もできません。
この場合はラットプルダウンマシンを使って広背筋を鍛えましょう。ラットプルダウンは懸垂にかなり近い運動なので、やりこむことでいずれ懸垂ができるようになります。
体重の70%の重量をラットプルダウンで扱えるようになれば、懸垂ができるはずなので、恐れず懸垂にチャレンジしてきましょう。
デッドリフト
デッドリフトは懸垂に次いで大事な背中種目です。
懸垂は多部位を含めても、1番高重量を扱えるトレーニングで、それ故に背中全体に強烈な刺激を与えることができます。
とりわけ脊柱起立筋、広背筋、僧帽筋への負荷が大きいです。
脊柱起立筋は鍛えられる種目が限られているのに対して、体のコアとなる筋肉で腹回りを引き締める効果が強いためボディメイクで重要な筋肉です。
さらに全身を連動させて動かすトレーニングなので、運動神経を発達させる効果もあり、スポーツを行なっている方は必ず取り入れたい種目になります。
またハムストリングや大臀筋といった下半身の筋肉も鍛えることができ、デッドリフトだけで体の背面を全て鍛えることができるといっても過言ではありません。
デッドリフトは高重量を扱えますが、フォームを間違えていたり、腹圧を上手くかけることができないと腰を壊すリスクが高いです。
トレーニングを行う際は必ずトレーニングベルトをして、まずは軽い重量で何度もフォームチェックするようにして下さい。上記の動画も参考にして下さい。
ダンベルローイング
懸垂が上から下に引く動作だったのに対し、背中の筋肉は前から後ろに引っ張る動作も行えます。
この動作に適したトレーニングがダンベルローイングです。
鍛えられる筋肉は広背筋と僧帽筋中部です。懸垂より僧帽筋への刺激が強くなるため、背中の厚みを出したい方は特に大切にしてほしい種目です。
ローイング種目はマシン、バーベル、ダンベルと様々な方法で行うことができますが、一番おすすめなのは、ダンベルを片手で持つワンハンドダンベルローイングになります。
片手で行う動作かつダンベルを使用するので他のローイング種目よりも可動域が広いのが特徴です。可動域が広い方が効率的に筋肉を鍛えることができます。
腕を最短で鍛えるメニュー
腕を効率よく筋肥大させるメニューは以下の3種目です。
腕を最短で鍛えるメニュー
- アームカール
- ハンマーカール
- トライセプスエクステンション
- ナローベンチプレス
腕には大きく分けて2種類の筋肉があります。それは「上腕二頭筋」と「上腕三頭筋」です。
さらにこれらを細かく分けると上腕二頭筋には「上腕筋」と「二頭筋」があります。
上腕筋は腕の外側にある筋肉で、二頭筋は力こぶの部分です。
(画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=kW3cN3umJYU)
上腕三頭筋は「長頭」と「外側頭」、「内側頭」3つに分けることができます。
(画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=ZQIZ8Q-iBns&feature=youtu.be)
アームカール
アームカールは上腕二頭筋の中でも二頭筋を鍛えることができる種目です。いわゆる力こぶを鍛えることができる種目になります。
アームカールはバーベルやダンベルで行うことができますが、断然ダンベルアームカールをおすすめします。
二頭筋は腕を曲げる際に手のひらを外側に向けてひねることで強く収縮することができます。バーベルでは手首が固定されているので可動域が制限され二頭筋を最大限収縮されることができません。
ダンベルで手首を外側にひねり収縮を意識しながらトレーニングを行いましょう。
ハンマーカール
ハンマーカールは上腕二頭筋の中でも上腕筋を鍛えるのに適した種目です。
ハンマーカールはアームカールと違ってダンベルを縦に持ったまま腕を持ち上げる動作になります。
上腕筋は腕の立体感を出すのに必要な種目なので、忘れずに行うようにしましょう。
トライセプスエクステンション
トライセプスエクステンションは上腕三頭筋の中でも長頭を鍛えることができる種目です。
三頭筋は二頭筋と違って高重量×低回数で行うことで効率的に筋肥大できる種目なので、8~10repを目安に行うと良いでしょう。
ただトライセプスエクステンションは肘への負荷が大きい種目なので、ウォーミングアップを丁寧に行い、肘に違和感を感じた際はすぐにトレーニングを中断するようにして下さい。
ナローベンチプレス
ナローベンチプレスは上腕三頭筋の中でも内側頭を鍛える種目です。
外側頭は通常のベンチプレスで鍛えることができるので、上腕三頭筋としてはトライセプスエクステンションとナローベンチプレスを行えば全体を鍛えることになります。
ナローベンチプレスは肘への負荷は少ないものの、肩への負荷が強くなってしまいがちです。バーベルを下す位置がみぞおちあたりに来るようにして、なるべく三角筋に刺激がいくのを避けるようにして下さい。
ナローベンチは高重量を扱いやすいので、太い腕を作りたい人は必ず取り入れてほしい種目になります。
肩を最短で鍛えるメニュー
肩を効率よく筋肥大させるメニューは以下の3種目です。
肩を最短で鍛えるメニュー
- サイドレイズ
- フロントレイズ
- フェイスプルorリアレイズ
実は肩全体を満遍なく鍛えられる種目って無いんです。それ故に部位ごとに1種目ずつ行う必要があり、計3種目必要になります。
肩は三角筋前部、中部、後部の3種類あります。
どれも大事な筋肉ですが、とりわけ優先度が高いのは三角筋中部です。
三角筋中部は体を正面から見たときの肩の張り出しに影響する筋肉で、ここを鍛えることで逆三角形ボディに大事な肩幅を広げてくれます。
サイドレイズ
中部を鍛える代表的な種目はサイドレイズです。
肩はほかの部位と違って神経が多く通った繊細な筋肉なので無理して高重量を扱うことはせずに、コントロールできる重量で丁寧に鍛えることが大事です。
トレーニーが最も怪我をしやすい部位なのでサイドレイズだからといってウォーミングアップを怠ったりしないようにしてください。
フロントレイズ
三角筋前部を鍛えるおすすめ種目はフロントレイズです。
肩といえばショルダープレスをイメージされる方も多いと思います。現に多くのトレーニーが積極的に採用している種目でもあります。
ここで私がショルダープレスをオススメしない理由は以下の2つの理由からです。
まずは肩の怪我のリスクを減らすためです。
三角筋前部は大胸筋のメイン種目であるベンチプレスやインクラインベンチプレスで補助的に使用されるため、疲労が溜まりやすい部位です。
そこに高重量を扱えるショルダープレスをトレーニングに採用してしまうとオーバーワークとなり怪我のリスクが上昇します。実際ベンチプレスとショルダープレスを併用して高頻度でトレーニングを行った人の多くは肩の怪我をした経験があります。
前部はフロントレイズで丁寧に鍛えましょう。
2つ目の理由は、肘の怪我のリスクを下げるためです。
トレーニーが故障しやすい部位は肩に次いで肘が多いです。
それは肘を使う種目が多いことが原因です。胸の種目であるベンチプレスは肘を酷使しますし、肩トレであるショルダープレスや上腕三頭筋の種目であるプッシュダウンなど数多くのトレーニングで使用されます。
胸や上腕三頭筋は肘の連動が必要不可欠なので、肩の種目くらいは肘を使わずに休ませてあげましょう。
関節は2度と回復しない一生物です。トレーニング種目を選ぶ際は関節のことも考えてみるといいでしょう。
フェイスプル
三角筋後部はフェイスプルもしくはリアレイズで鍛えます。
ジムに通っているのであればフェイスプルが特におすすめです。リアレイズに比べて可動域が広く負荷が抜けにくいので簡単に三角筋後部を鍛えることができます。
三角筋の中でも後部は他の種目で刺激が入ることがほとんどないため、積極的に鍛える必要があります。
前部中部が発達していても後部の発達が弱いと丸い肩にはなりません。
頻度を増やすかセット数を増やすことでトレーニングボリュームを増やすと発達しやすいです。
脚を最短で鍛えるメニュー
脚を効率よく筋肥大させるメニューは以下の3種目です。
脚を最短で鍛えるメニュー
- スクワット
- デッドリフト(レッグカール)
- (カーフレイズ)
足は大腿四頭筋とハムストリング、ヒラメ筋の3つの筋肉を鍛える必要があります。
スクワット
大腿四頭筋は身体の中で最も大きい筋肉なので特に優先して鍛える必要があります。
大腿四頭筋を鍛えることで筋肉を増やすホルモン「テストステロン」を大量に分泌させることができるので、他部位の筋肥大にも効果的だと言われています。
大腿四頭筋を鍛える効率的な種目はスクワットです。
スクワットはベンチプレス、デッドリフトと並ぶBIG3と呼ばれる種目で、高強度のトレーニングが可能です。
重量を確実に伸ばしていけば、スクワットだけで十分筋肉を疲労させることができます。
デッドリフト(レッグカール)
ハムストリングは背中種目であるデッドリフトをしっかり行っていれば十分刺激が入っているので行う必要はありません。
デッドリフトをやっていない場合や脚を重点的に鍛えたい場合はマシンのレッグカールを行うといいです。
カーフレイズ
ふくらはぎのヒラメ筋を鍛える代表的な種目がカーフレイズになります。
ふくらはぎについては、ボディメイクに不要と考える人も多いため必要だと思えばトレーニングに取り入れると良いでしょう。
最低限やりたい部位別筋トレメニューのまとめ
少し長くなってしまいましたが、各部位における必要不可欠なメニューを説明してきました。もう一度おさらいすると、下記のようになります。
大胸筋
- ベンチプレス
- インクラインベンチプレス
- ケーブルフライorダンベルフライ
背中
- 懸垂orラットプルダウン
- デッドリフト
- ダンベルローイング
腕
- アームカール
- ハンマーカール
- トライセプスエクステンション
- ナローベンチプレス
肩
- サイドレイズ
- フロントレイズ
- フェイスプルorリアレイズ
脚
- スクワット
- デッドリフト(レッグカール)
- (カーフレイズ)
全身になると結構種目数が多くなりますが、これだけ行えば、カッコいい身体に必ずなります。
このメニューを3年間やった私の身体はこちらになります。
この写真を参考に、もっとこの部位を鍛えたいって方は追加でメニューを増やしてみて下さい。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
それではまた別の記事で会いましょう!
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