「筋トレ後最大48時間以内のタンパク質摂取が筋肥大に有効」
「筋肥大に有効なタンパク質量は最大で20g」
これまで当サイトではプロテインの摂取方法に関する様々なエビデンスを紹介してきました。
しかしどれも特定の被験者を対象に行われた研究結果ばかりなので、個人の体格に合わせたタンパク質摂取量を知ることはできませんでした。
今回は男女ともに使える「あなたに合ったプロテイン摂取量」を簡単に算出できる自動計算シートを作成しました。
今の自分に最適なタンパク質摂取量を知ることでボディメイクの助けになれば幸いです。
この記事を読むと分かること
- プロテインの正しい飲み方
- 1食当たりのタンパク質摂取量
- 1日当たりのタンパク質摂取量
- あなたにぴったりのタンパク質摂取量
目次
プロテイン摂取の基礎知識
プロテインの摂取方法に関する基礎知識をまずご紹介します。
プロテインの正しい飲み方
- 種類:ホエイが筋肥大にもっとも効果的
- 期間:筋トレ後48時間(特に24時間以内が大切)
- 摂取量:1回あたり「0.25g×体重(kg)」
- 頻度:3時間おき(食事を挟む場合は一回スキップ)
プロテインを選ぶ際は体に合わないという理由がない限りは、必ずホエイプロテインを選ぶようにしてください。
ダイエット・筋肉増強のどちらの場合もホエイプロテインが優れています。
続いて大切なのが、「一回あたりの摂取量」と「24時間以内の摂取量」を把握することです。
上記の飲み方では、1回あたりのプロテイン摂取量を「0.25g×体重(kg)」と体重によって必要なタンパク質量が異なっています。
一回あたり20gなんていう体格差を気にしていない飲み方に比べれるとかなり正確ですが、実はこれにも年齢という大事な項目が抜けています。
この記事では年齢も加味したうえで「一回あたりの摂取量」と「24時間以内の摂取量」を求めて生きたいと思います。
▽プロテインの摂取方法について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
プロテインの飲み方を徹底解説!メカニズム/摂取量/タイミング/種類の違いを文献から知る
▽あなたにぴったりのホエイプロテインを探します。
筋トレ効果を最大にする1食分のタンパク質摂取量
体重によって必要なタンパク摂取量が異なることは先ほどお話しましたが、年齢によっても異なるのでしょうか。
この疑問を解明すべく、20代の若者と70代の高齢者を対象に筋肥大とタンパク質摂取量を調査した研究があります。[1]
この研究では各被験者にレッグエクステンションを行わせた後、0~40gのタンパク質を摂取させて筋合成速度を測定しています。
結果がこちらになります。
若者の筋合成とタンパク摂取量
高齢者の筋合成とタンパク摂取量
このグラフは体重1kgあたりに摂取したタンパク質量が横軸になっています。
これを見ると、高齢者はより多くのタンパク質を摂取しないと筋肥大効果が最大にならないのに対して、若者は少量のタンパク質で筋肥大効果が最大になっています。
筋トレ効果を高めるためには筋肥大効果が最大になるタンパク質量を摂取することが大切です。
高齢者は若者に比べて、1.5倍以上のタンパク質を摂取しなければいけません。
年齢別タンパク質摂取量
- 20代:0.24g×体重(kg)
- 70代:0.40g×体重(kg)
年齢別タンパク質摂取量を算出
高齢者が若者に比べてタンパク質摂取量を増やさないと筋肥大が起こらない原因は「タンパク質の合成抵抗性」にあります。
加齢によって筋タンパクの合成能力が低下していくのです。
先ほどの結果は20代と70代でしたが、その間の30~60代もそれぞれ適切なタンパク摂取量があるはずです。
加齢は徐々に起こっていくものであり、ある年齢で一気に老けるなんてことはありません。
このことから、タンパク質の合成抵抗性も年齢とともにほとんど線形に上がっていくと考えられます。
そこで20代の結果と70代の結果を線形相関させて年齢別のタンパク質摂取量を算出しました。
年齢 | タンパク質摂取量[g/kg] |
20歳 | 0.24 |
30歳 | 0.27 |
40歳 | 0.30 |
50歳 | 0.34 |
60歳 | 0.37 |
70歳 | 0.40 |
80歳 | 0.43 |
この表に記載している係数に体重をかけることで自分にぴったりのタンパク質摂取量を知ることができます。(自動計算フォームを記事最後にのせていますので、ここでは計算は不要です。)
多関節運動はタンパク質を多く摂取すべき
先ほどの紹介した文献は単関節運動であるレッグエクステンションを使ったものでした。
しかしほとんどのトレーニーは多関節運動をメインにトレーニングをしているはずです。
より多くの筋肉が使われる多関節運動の場合はより多くのタンパク質が必要になりそうですが、実際はどうでしょうか。
ここで20代のトレーニーを対象にしてベンチプレスなどの多関節運動をさせた研究を紹介します。[3]
この研究ではホエイプロテインを20g摂取するグループと40g摂取するグループに分けて比較しています。
筋量の多い少ないに限らず、プロテインを40g摂取したグループの筋合成速度が高まっています。
筋量の少ないグループの体重は平均で77kgでした。つまり先ほどの式を使って筋肥大が最大になるタンパク質量を計算すると19gになります。
しかし実際には40gの方が筋肥大が起きています。
このことから高強度の多関節運動を行った場合はプロテインの必要摂取量が増えることが分かります。
複雑な計算になってしまうため、係数の導入過程は省略しますが、2つの研究結果から「多関節運動の場合の最大タンパク質摂取量」を求めると次のようになります。
年齢 | タンパク質摂取量[g/kg] | |
単関節運動 | 多関節運動 | |
20歳 | 0.24 | 0.37 |
30歳 | 0.27 | 0.42 |
40歳 | 0.30 | 0.47 |
50歳 | 0.34 | 0.52 |
60歳 | 0.37 | 0.57 |
70歳 | 0.40 | 0.62 |
80歳 | 0.43 | 0.67 |
この表を使えば、年齢・体重・実際のトレーニングに合わせた最適なタンパク質量を求めることができます。
(自動計算フォームを記事最後にのせていますので、ここでは計算は不要です。)
筋トレ後24時間以内のタンパク質摂取量
1食分のタンパク質量が分かったので、続いては筋肥大に重要な「筋トレ後24時間以内のタンパク質摂取」についてみていきましょう。
前述のとおり、筋トレ後24時間以内は筋タンパクの合成感度が高まっているので、この時間にタンパク質を多く摂取することで筋肥大を起こすことができます。
したがってゴールデンタイムだけではなく、24時間以内はなるべく多くのタンパク質が必要になります。
ここでは、24時間以内(1日)のタンパク質摂取量に関するメタアナリシスをご紹介します。[3]
これは、49の研究・総勢1863名を対象にした大規模な研究結果になります。
メタアナリシスとは
- 数多くの研究をまとめて分析したもので、信頼性が高い文献
メタアナリシスの結果、若者の筋肥大効果と一日あたりのタンパク質摂取量には次のグラフのような関係があることが分かりました。
このグラフを見ると、「1日のトータルタンパク質摂取量=体重1kgあたり1.62g」が筋肉が増える最大のタンパク質摂取量ということが分かります。
これ以上とってもタンパク質は筋肉にならずに体外へ排出される可能性が高いということです。
逆にこれより下回ると、せっかくトレーニングしたのに筋肉が増えるチャンスを逃してしまうことになります。
グラフは45歳未満の若者を対象にした統計結果になるので、これを年齢別に直したものが次の表になります。
年齢 | 1日あたりのタンパク質摂取量[g/kg/d] |
20歳 | 1.62 |
30歳 | 1.84 |
40歳 | 2.05 |
50歳 | 2.27 |
60歳 | 2.48 |
70歳 | 2.70 |
80歳 | 2.92 |
(45歳未満の結果を20歳としているので、少し多めにタンパク質を摂取する計算結果になります。先ほどのグラフからもわかる通り少し多めに摂取すれば、その分筋肉が増える可能性もあるので、多めに見積もる分には問題ないとしています。)
【自動計算】あなたに最適なタンパク質摂取量
次の計算フォームに「年齢」「体重」「トレーニングの種類」を入れた後、「計算する」ボタンを押してください。
そうすると、一食当たりのタンパク質量と一日あたりのタンパク質量が計算されます。
自分にぴったりのプロテイン摂取量を知ることは、筋肥大効果を最大化にできるだけでなく、過剰なタンパク摂取を防ぐことができるので胃腸や腎臓への負担も減らすことができます。
この記事がタメになると思った方は周りのトレーニーたちにも教えてあげてください。
まとめ
- 1食当たりのタンパク質量は年齢・体重・トレーニングの種類によって異なる
- 年齢が上がるほど筋タンパク合成能力が低下するので、多くのタンパク質を摂取する必要がある
- 1日あたりのタンパク質量は年齢・体重によって異なる
- 計算フォームを使えば、だれにでも最適なタンパク質摂取量が分かる
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた!
私が愛用しているプロテインは「速攻吸収のハイドロホエイプロテイン」と「激安のボディウィングホエイプロテイン」です。
どちらも非常に成分が優れているので参考にしてください。
ちなみに「ハイドロホエイ」はトレーニング直後、それ以外はボディウィングを使って節約しています。笑
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参考文献
[1]Protein Ingestion to Stimulate Myofibrillar Protein Synthesis Requires Greater Relative Protein Intakes in Healthy Older Versus Younger Men.
[2]The response of muscle protein synthesis following whole-body resistance exercise is greater following 40 g than 20 g of ingested whey protein.
[3]A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults.