フィットネスブームのおかげか「高タンパク質な食品」が増えてきました。
高タンパク質というと筋肉をつけるための食事という認識をもつ人は多いと思います。
でも実は筋トレをしない人が高タンパクな食事をとってもダイエット効果が大きいのです。
この記事では「タンパク質を多く含む食事が太りにくい理由」について詳しく説明していきます。
この記事を読むと分かること
- タンパク質の本当のカロリーとは
- 食事誘発性熱産生とは
- 高タンパクな食事をとるメリット
目次
タンパク質はカロリーが低い
タンパク質は脂質と比べてグラム当たりのカロリーが低いです。
それゆえに同じ量の食事を摂取していても、中身を「脂質→タンパク質」に変えることでカロリーを減らすことが可能です。
三大栄養素のカロリー
- タンパク質:4kcal/g
- 脂質:9kcal/g
- 糖質:4kcal/g
でもタンパク質の良いところはただそれだけではありません。
タンパク質は脂質や糖質に比べて熱エネルギーに変わりやすいので、実際に生命活動に使われるエネルギーは非常に小さくなるのです。
わたしたちが生活する上で消費しているエネルギー
私たちの1日のエネルギー消費量は「基礎代謝」「食事誘発性熱産生」「活動時代謝」の3つに分けることができます。
エネルギー消費の内訳
- 基礎代謝(約60~70%)
- 食事誘発性熱産生(約10%)
- 活動時代謝(約20~30%)
基礎代謝は私たちが生きていく上で必要な最小限のエネルギーで、体温維持や心臓、神経活動に使われます。
食事誘発性熱産生は、ご飯を食べる時の噛む動作や消化吸収に使われるエネルギーのことです。
食事をとったあと、体がポカポカするのはエネルギーが消費されているからです。
活動時代謝はその名の通り、私たちが歩いたり、人と話したり、スポーツをしたりする際に必要になるエネルギーです。
意外にもただご飯を食べるだけで、一日で使うエネルギーの約10%を消費しているのです。
さらに食事誘発性熱産生で消費しているエネルギーを増やすことができれば、簡単にダイエットができます。
三大栄養素の食事誘発性熱産生
私たちの生命活動や身体活動は「炭水化物」「タンパク質」「脂質」の3つをエネルギー源としています。
この3つがなければ生きていくことができないため、最も大事な栄養素ともいえます。
これらを三大栄養素と呼びますが、それぞれ食事誘発性熱産生が異なります。
食事誘発性熱産生の違い
- タンパク質:30%
- 脂質:4%
- 糖質:6%
糖質6%、タンパク質30%、脂質4%とタンパク質が圧倒的に大きいことがわかります。
これはタンパク質が他の栄養素に比べて複雑な構造をしているため、消化吸収にたくさんのエネルギーが必要だからです。
普段の食事を高タンパクな食事に変えると、食事誘発性熱産生が増えて、自然とダイエットができます。
三大栄養素の有効カロリー
糖質、タンパク質、脂質はそれぞれカロリーが決まっています。
三大栄養素がもっているカロリーから食事誘発性熱産生を引いた分を「有効カロリー」とします。
「有効カロリー」=「三大栄養素のカロリー」-「食事誘発性熱産生」
有効カロリーは実際に体に吸収されるカロリーを表しており、太りにくさの指標にもなります。
三大栄養素の有効カロリー
- タンパク質:2.8kcal/g
- 脂質:8.6kcal/g
- 糖質:3.8kcal/g
上表の通り、タンパク質は1gあたりの有効カロリーが非常に小さいことが分かります。
高タンパク質な食事は総じて、タンパク質が多く、糖質・脂質が抑えられているため、栄養表示よりもさらにカロリーが低いのです。
例えば「某牛丼チェーン店の牛丼(並盛:380g)」と「牛赤身肉を使用した牛丼(並盛:380g)」では一食当たり140kcalもの差があります。
牛丼チェーン店の牛丼 | 赤身肉を使用した牛丼 | |
カロリー | 733kcal | 596kcal |
有効カロリー | 672kcal | 536kcal |
食事誘発性熱産生の割合 | 8% | 10% |
タンパク質 | 22.9g | 26.4g |
脂質 | 25.0g | 4.8g |
炭水化物 | 104.1g | 111.8g |
一般的な牛丼に比べて、赤身肉を使用した牛丼は脂質が低く・高タンパクなのが特徴です。
脂質が低い分、同じグラム数の牛丼を食べてもカロリーが低くなっています。
また食事誘発性熱産生の割合も10%と高タンパクな分だけ、食事で消費されるエネルギー量が高くなっています。
このようにタンパク質を多く含む食事は、脂質が抑えられてカロリーが低くなるだけでなく、消費カロリーが増えることによる実質カロリーを下げる効果も持っています。
筋肉を維持・増強してくれる
タンパク質の良いところはカロリーが低いだけでなく、「筋肉の維持・増強に役立つ」効果も持っています。
筋肉は熱を発生したり、運動の際に糖質を消費するため、たくさんのエネルギーが消費される器官です。
筋肉を増やせばその分、一日のエネルギー消費量が大きくなるのです。
タンパク質は筋肉の材料
- 筋肉は基礎代謝を上げるので、ダイエットにとても大事
- タンパク質は筋肉の材料となる
- タンパク質を多く摂取することで、筋肉を増やしたり、維持できる
筋肉は基礎代謝を上げる
特に基礎代謝を上げてくれるのが筋肉の良いところです。
基礎代謝は先ほど説明した通り、体温維持に使われるエネルギーのことで、これはただ寝ているだけでも消費されます。
筋肉は1kgあたり20kcal/日ほど基礎代謝を上げるといわれています。
筋肉が1kg多いだけで、1年で7200kcalも消費カロリーが多くなります。
7200kcalは脂肪1kg分に相当するエネルギーになります。基礎代謝なので、ダイエットなんてしなくても脂肪1kgを自動で燃やしてくれるのです。
▽筋肉とダイエットの関係についてはこちらの記事を参考にしてください。
筋トレのダイエット効果が凄い!一年頑張れば何もしないで5kg痩せる体に
タンパク質は筋肉を増やす
ダイエットに非常に大切になる筋肉を増やすには「高タンパク質の食事」が必要不可欠です。
筋肉は筋タンパク質でできており、その原料になるのが食事から摂取したタンパク質です。
筋肉は常に合成と分解を繰り返しており、そのバランスが保たれることで筋肉量を維持しています。
ただ年齢とともにタンパク質の合成能力が低下していくため、多くの場合は分解が優位になってしまい、年々筋肉量が減ってきます。
これを防ぐにはタンパク質をたくさんとることが重要になります。
私たちの体は食事から摂取したタンパク質量が多いほど、筋肉の合成を活発に行います。
トレーニングをしていなくても、タンパク質を十分摂取することで、筋肉量を維持することが可能です。
加えて筋トレを行うとさらに筋合成が活発になるので、ダイエット効果を高めたい方はぜひ筋トレにチャレンジしてみてください。
高タンパクな食事で理想の体に近づこう
高タンパク質な食事というとマッチョなお兄さん向けの食事と思ってしまうかもしれませんが、実はそうではありません。
筋トレをしていないけど痩せたい・引き締まったボディを手に入れたいと思っている人にも効果的な食事法です。
ただ高タンパク質な食事に切り替えるだけで、摂取カロリーを減らしたり、基礎代謝を維持する効果があります。
断食のように短期間で一気に痩せることはないかもしれませんが、健康的かつ継続が簡単なダイエット法になるので、ぜひ試してみてください。
まとめ
- 摂取したタンパク質は30%が熱に変わるので実際のカロリーがとても低い
- 高タンパクな食事に変えることで自然と摂取カロリーを減らせる
- 高タンパクな食事は筋肉の維持・増強に役立つ
▽自炊が面倒だし、美味しく高タンパクな食事をとりたい方は筋肉弁当(マッスルデリ)を試してみてください。
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【マッスルデリ】筋トレ中の面倒な栄養管理がいらない筋肉弁当をレビュー
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▽自炊で高タンパクな食事を作るときのポイントやレシピはこちらの記事をご覧になってください。
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筋トレ効果を高めるには食事管理が必要!誰でもできる簡単作りだめメニューをご紹介
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最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた!