筋トレを始めてから「体がだるい・重い」と感じるようになった人が多いのではないでしょうか。
わたしも強い疲労感に悩まされ、私生活でも疲れで気力がなくなったりと悪影響が出ていました。ハードなトレーニングを行ったあとは風邪を引くなど体調不良も頻繁に起きていました。
筋トレは体に強い負荷をかけるトレーニングなので、筋トレをする前と同じ食事や睡眠時間では疲労が抜けるはずがありません。
筋トレを行っている人にはそれにあった疲労回復方法が必要になります。
この記事では、筋トレ後の疲労感で悩んでいる方に向けて、疲労回復方法を詳しく解説していきます。
ちなみに今回ご紹介する内容は、実際に私が栄養学から学んだ疲労回復方法を実践し、効果があったものです。
この記事を読むと分かること
- 疲労回復につながる栄養素の摂取方法
- 乳酸の分解方法
- 疲労回復に最適なサプリメント
- 疲労を回復する睡眠方法
目次
筋トレ前後にタンパク質を摂取する
タンパク質が筋肉のもととなっていることは皆さんご存知かと思います。
体内では常に筋肉の分解と合成が繰り返されており、これらのバランスが保たれているため、自然と筋肉量は維持されています。
しかし激しいトレーニングを行うと、筋肉の分解が優先して行われ、筋肉を栄養に変えようとする働きが起きます。
これを防ぐために、筋トレ前に十分タンパク質を摂取して下さい。
筋トレ前に血中アミノ酸濃度が高い状態を作ることで、トレーニング中の筋分解を最小限にとどめることができます。
また筋トレ直後に素早くタンパク質を摂取することで、筋合成を旺盛にし、筋肉量を増やしましょう。
一回あたりに摂取するタンパク質量は20g前後にすると良いです。
それ以上とっても筋合成速度は変わらないという研究結果があります。ただ一回のトレーニングで全身を鍛える場合は最大40gのタンパク質が筋合成に使用されるといった報告もあります。
疲労回復に効果的なタンパク質摂取方法
- トレーニング1時間前にホエイプロテインを摂取する
- トレーニング直後にホエイプロテインを摂取する
- 一回に摂取するタンパク質量は20g前後にする
▽いくつかの質問に答えるだけで、あなたにぴったりのプロテインを診断します。
筋トレ前後に炭水化物を摂取する
筋トレ前後にタンパク質を摂取すると同時に炭水化物も摂取するようにしましょう。
炭水化物は体を動かす燃料となる大事なエネルギー源です。炭水化物が不足していると脳は元気を失い、頭がぼーっとしたり、疲れが溜まったりします。
筋トレ中は、筋肉内に蓄えられた筋グリコーゲン(糖質)をエネルギーに変えることで、ハードなトレーニングを可能にします。
したがって筋トレ前に十分炭水化物を摂取しないと、トレーニング中に筋グリコーゲンが枯渇してしまいます。
筋グリコーゲンが枯渇すると、力が出ず思うようにトレーニングができない可能性があります。
また筋トレ後はグリコーゲンが枯渇しているので、トレーニング後の炭水化物摂取も非常に大事になります。
疲労回復に効果的な炭水化物摂取方法
- 吸収の早い糖質をトレーニング1時間前に摂取する
- トレーニング直後に吸収の早い糖質を摂取する
- 和菓子や羊羹など食物繊維が入っておらず砂糖で作られたものが吸収が早い
▽果糖がダメな理由はこちらで詳しく説明しています。
筋トレにバナナは効果なし!摂取タイミングに関係なく効果がない理由とは
▽トレーニング中に必要な栄養素を摂取できるワークアウトドリンクの作り方はこちらを参考にして下さい。
筋トレ中に最適な飲み物とは?自作ワークアウトドリンクで筋トレ効果を高めよう
ビタミン・ミネラルを摂取する
三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)は意識して摂る人が多いと思いますが、忘れてはいけないのがビタミンやミネラルといった栄養素です。
高強度のトレーニングを行うと身体は新陳代謝を高めようとします。
このときにビタミンやミネラルは酵素として働き、新陳代謝の上昇サポートし、筋肉の回復を早めてくれます。
これは筋トレ後の疲労回復にもっとも大事なことで、疲労した筋肉を素早く回復させることで、私たちが感じる疲労感も早く改善されます。
ビタミンやミネラルは相互作用により吸収率や効果を高め合うので、マルチビタミン等のサプリメントで一度に多種類の栄養を摂取するのがいいです。
疲労回復に効果的なビタミン摂取方法
- 毎朝・夕食後にマルチビタミンを摂取する
▽筋トレに特に大事なビタミンCの効果を知りたい方はこちらも合わせてどうぞ。
筋トレにビタミンCが欠かせない理由【摂取量とタイミングも解説】
乳酸を分解する
肉体的な疲労は筋肉に乳酸が溜まることで起こります。
筋トレは瞬発的に激しい運動を行うため、エネルギー代謝が追い付かず、筋肉に乳酸が溜まりやすくなります。
乳酸が多くなると、血液が酸性に傾き、細胞の活動性が低下します。それにより筋肉の収縮力が弱まり疲労を感じます。
このため筋トレ翌日は非常に体が重くだるいと感じてしまうのです。一方で有酸素運動は酸素で体内の糖や脂肪をゆっくり分解させるので、疲労感が少なく毎日行うことができます。
では乳酸を効率よく分解するにはどうしたらいいのでしょうか?
クエン酸を摂取する
疲労状態の時は乳酸を素早く分解させることが大事です。そのときに役に立つのが「クエン酸」です。
クエン酸はレモンや酢、梅干しといった酸っぱい食品に含まれる成分です。
クエン酸は体内のエネルギー代謝を高め、疲労物質である乳酸の分解を促進する作用があります。また酸性に傾いた血液を弱アルカリ性に整える効果もあります。
ビタミンB1+アリシンの組み合わせを摂取する
クエン酸以外にも疲労回復に有効とされる栄養素として有名なのが、「ビタミンB1とアリシン」の組み合わせです。
ビタミンB1は糖質の分解を促進する補酵素として働き、エネルギーを効率よく生み出すことで、乳酸などの疲労物質を溜まりにくくします。
アリシンはビタミンB1の働きを助ける作用を持っています。ビタミンB1は水溶性ビタミンなので、体内に長くとどまらずすぐに排出されますが、アリシンと結合すると血液中に長くとどまり、長時間疲労回復効果を発揮してくれます。
ビタミンB1を多く含む食品
- 豚肉
- うなぎ
- 大豆
アリシンを多く含む食品
- にんにく
- たまねぎ
豚肉とたまねぎの組み合わせであれば、食事として簡単に摂取できます。
例えば、生姜焼きや辛味調味料と一緒に炒めてスタミナ炒めみたいにしてもいいですね。
乳酸分解方法
- トレーニング直後にクエン酸を摂取する
- ビタミンB1とアリシンを一緒に摂取する
グルタミンを摂る
グルタミンはあまり知られていないサプリメントのひとつですが、個人的にはプロテイン・マルチビタミンについで摂取して欲しいサプリメントです。
血中グルタミン濃度と疲労は強い相関があります。これは筋トレ後に発生するコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンをやっつけるのがグルタミンだからです。
コルチゾールは筋肉を分解、免疫力低下、消化器官の機能低下といった様々な悪影響をもたらすホルモンです。
消化器官の機能低下はせっかく食事から摂取した栄養素が吸収されずに体外へ排出されることを意味しますし、免疫力が低下してしまうと強い疲労感が持続するだけでなく、体調不良を引き起こす原因にもなります。
血中グルタミン濃度が最も下がるのはトレーニング後なので、トレーニング後のプロテインにグルタミンを混ぜて飲むことで、筋肉の合成作用を増やし、疲労回復を早めてくれます。
グルタミンについて詳しくしりたい方はこちらの記事をご覧になってください。
疲労回復に効果的なグルタミン摂取方法
- トレーニング直後にプロテインにグルタミンを5g混ぜて摂取する
- 就寝直前にグルタミンを5g摂取する
十分な睡眠をとる
最後は「十分な睡眠をとる」ことです。
睡眠中はもっとも体が休まる時間です。トレーニングを行った当日や翌日は8時間睡眠を心がけるようにしましょう。
また寝る時間も大事で、睡眠のゴールデンタイムと呼ばれる午後10時~午前2時の間に寝ることで成長ホルモンの分泌が活性化され、疲労回復や老化防止につながると言われています。
良質な睡眠をとるためには、睡眠時間と就寝時間に気をつけてください。
疲労回復に効果的な睡眠方法
- 8時間睡眠を心がける
- 午後10時~午前2時はなるべく寝るようにする
筋トレ後の疲労回復方法まとめ
6つの疲労回復方法を説明しました。多すぎると思った方もいると思いますが、そんなに難しいことではありません。
筋トレ後のひどい疲れは筋肉にとって悪いだけでなく、仕事に集中できない等、実生活にも悪影響を及ぼす可能性があります。
今回ご紹介した方法は私が実践し、どれも効果があったものです。基本的なものが多いので、ここからさらに独自のアレンジをしていただいても面白いかもしれません。
以下が本日お話した疲労回復方法をまとめたものです。是非参考にしてください。
疲労回復方法完全版
- トレーニング前後にプロテインを摂取する
- トレーニング前後に炭水化物(糖質)を摂取する
- 毎朝・夕食前にマルチビタミンを摂取する
- トレーニング後にクエン酸やビタミンB1+アリシンを摂取する
- トレーニング後と就寝前にグルタミンを摂取する
- 8時間睡眠を心がける
それではまた!
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