筋トレをしていると忘れがちな部位が「前腕」です。
上腕二頭筋や上腕三頭筋などの上腕を鍛える人は多いですが、前腕を鍛えている人はジムを見渡しても一人もいません。
でも前腕を鍛えれば、普段行っているトレーニングの質を向上させてくれたり、迫力のある腕を作ることができます。
間違いなく前腕は”鍛えるべき筋肉”です。
この記事では前腕を鍛えるメリットや効率よく鍛えるトレーニングプログラムを解説していきます。
この記事を読むと分かること
- 前腕筋の役割と分類
- 前腕を鍛えるメリット
- 前腕を効率よく鍛えるメニュー
- 前腕のトレーニングプログラム
目次
鍛えるべき前腕の筋肉
前腕の筋肉の種類
上の図が前腕のすべての筋肉を表したものになります。
大胸筋のように一つの筋肉で出来ているわけではなく、数多くの筋肉で構成されていることが分かります。
前腕の筋肉を大きく2種類に分けると、図の左側(手のひらと同じ向き)と図の右側(手のひらと逆向き)の筋肉に分けることが出来ます。
この記事では分かりやすくするために、「手のひらと同じ向き=前腕内側」「手のひらと逆向き=前腕外側」と呼ぶことにします。
それぞれ次のような役割を持っています。
前腕内側の役割
- ものを握る
- 手首を曲げる
- 指を動かす
前腕外側の役割
- 手首を反対方向に戻す
- 指を動かす
鍛えるべき前腕の筋肉
前腕を鍛える際に重要なのはバランスよく鍛えることです。
前腕筋群はかなり隣接している上に、拮抗筋同士になるため、どちらか一方だけ鍛えてしまうと筋肉間のパワーバランスが崩れてしまいます。
これは怪我の原因になったり、筋肉が大きくならない原因になります。
拮抗筋とは
- 対象筋と反対の動きをする筋肉
- 例えば前腕内側が収縮しているとき、前腕外側は伸展しているので拮抗筋である
- 対象筋と拮抗筋はバランスよく鍛えることが大事
前腕は大きく二つの筋肉に分けることができるといいました。
つまりどれかの筋肉を鍛えなくていいってことはなく、「前腕内側」と「前腕外側」をバランスよく鍛えることで、強い前腕を手に入れることができます。
前腕を鍛えるメリット
前腕を鍛えることで次のメリットがあります。
前腕を鍛えるメリット
- トレーニングの質が向上する
- 握力が向上する
- 前腕の血管が浮く
- 服を着ていてもたくましい腕だと分かる
トレーニングの質が向上
筋トレをしている人にとって1番のメリットは「トレーニングの質が向上する」ことです。
背中トレは握りこむ種目が多いため、多くのトレーニーが背中よりも先に握力がなくなってしまいます。
これは初心者だけの問題ではなく、むしろある程度高重量を扱えるようになってきた中級者に起こる問題です。
背中トレで先に前腕が疲れてしまっては、背中を十分疲労させることができず筋肥大できなくなってしまいます。
これを防ぐために日常的に前腕を鍛えましょう。
また握力をサポートするためにパワーグリップやリストストラップといったアイテムがあります。これを活用することで握力を使わずに背中トレを行うことができます。
ラットプルダウンや懸垂で広背筋に上手く効かせようと思うと、親指側の力を抜いて、小指側を握りこむ必要があります。
パワーグリップやリストラップを使うと上記の小ワザが使いにくくなってしまうので、ローイングやデッドリフトではパワーグリップを使って、ラットプルダウンは素手で行うなど使い分ける必要があります。
前腕が活躍する場面は背中トレだけだと思われがちですが、実は胸トレなど全身の筋トレに関わっています。
胸トレではダンベルベンチプレスがもっともわかりやすいです。高重量のダンベルベンチプレスを行う際に前腕の力が弱いと、軸がぶれてしまい、大胸筋に重量をのせることが難しくなります。
特にダンベルを使ったトレーニングはバランスを保つために前腕筋が必要になるので、上手く対象筋に効かせられていないと感じる人は前腕トレを取り入れてみてください。
かっこいい腕が手に入る
筋トレをすると大胸筋や上腕が発達してきて、周囲の人から筋トレをしているの?と聞かれる機会が増えます。
ですが私の経験上、大胸筋や上腕よりも注目される頻度が高いのが前腕です。
大胸筋や上腕は普段は服に隠れているため、ゆるめの服をきていると気づかれないことが多いです。
しかし前腕は半袖や腕まくりをしているときなど露出している機会が多いため、普段から前腕を鍛えていれば、周囲の目線を簡単にゲットできます。
前腕の鍛え方
各部位の鍛え方は「筋肉の形状」と「速筋繊維の比率」から考えることができます。
前腕筋群は筋繊維が直線的に並んでいる「紡錘状筋」で出来ています。紡錘状筋はパワーがあまり出せないので、低重量のトレーニングで筋肥大しやすい筋肉です。
また前腕は速筋繊維よりも遅筋繊維が多いので、遅筋繊維を鍛えることで筋肉が大きくなりやすいです。
形状と速筋繊維の比率から考えると前腕は低重量×高回数のトレーニングがもっとも適しています。
▽形状と繊維から考えるトレーニング法については下記記事で詳しく解説しています。(各部位の一覧もあるのでご参考に)
【高重量vs低重量】筋肉の形状と速筋比率で考える”部位別”おすすめ筋トレ方法!
レップ数
低重量×高回数トレーニングなので、レップ数は15~20repで限界になるように設定しましょう。
高回数トレーニングは乳酸などの疲労物質を溜めて「化学的ストレス」を与えることが重要になるため、トレーニング中に筋肉が焼け付くような痛み(バーンズ)を感じるまで丁寧に行ってください。
またバーンズを感じると動作を継続できなくなると思います。そのときは10秒ほど休憩してから、再度限界まで追い込みましょう。
セット数
筋肥大に効果的なセット数は2~4SETです。
これは追い込み加減で決めましょう。
詳細は別記事で解説していますが、限界まで追い込む場合は2SET、追い込まない場合は4SETで行うと筋繊維を全て疲労させることができます。
前腕であれば、さきほど説明したバーンズを感じたあと10秒休憩して再度追い込んだ場合は2セットで十分です。
逆にバーンズを感じてすぐやめる場合は4セット行いましょう。
▽セット数やトレーニング時間については下記記事を参考にしてください。
前腕は低重量×高回数で鍛える
前腕の鍛え方についてまとめると次のようになります。
前腕の鍛え方
- 低重量×高回数で筋肥大しやすい
- 15~20レップスで限界になる重量で行う
- バーンズを感じたら10秒休んで再度追い込む
- 各種目2セット行う
前腕を効率よく鍛える種目
リストカール
ベンチ台や太ももで前腕を固定し、手首だけを動かしてバーベルを持ち上げるトレーニングが「リストカール」です。
リストカールでは前腕内側の4つの筋肉を鍛えることができます。
ポイントは早く上げ下げしてしまうと反動を使ってしまうので、なるべくゆっくり動作を行うようにしてください。
上記はバーベルで行うリストカールでしたが、ダンベルで行う方法もあります。
バーベルだと左右のバランスが悪くなってしまう人や手首が痛い人はダンベルで行いましょう。
リバースリストカール
リストカールは手のひらを上向きにして行いましたが、「リバースリストカール」では手のひらを下向きにしてバーベルを上げ下げします。
こうすることで前腕外側の5つの筋肉を鍛えることができます。
リストカール同様に反動を使わず、ゆっくり丁寧に行うことを心がけてください。
ダンベルでも同じ効果が得られます。
ハンマーカール
前腕と上腕の境目に位置する筋肉「腕橈骨筋(わんとうこつきん)」を鍛えるのに適したトレーニングが「ハンマーカール」です。
腕橈骨筋は上の写真でBRACHIORADIALISと書かれた部分になります。
この腕橈骨筋がしっかり鍛えられていると、腕に立体感が出るため、太さ以上の迫力をだすことができます。
かっこいい腕の方は腕橈骨筋が発達していることが多いです。
ハンマーカールは上腕二頭筋と腕橈骨筋を鍛える種目なので、前腕よりも重量は重めに設定しましょう。
目安は10レップスで限界となる重量です。
ハンマーカールを行うときは上腕を動かさないようにして、なるべく反動をつけないことを心がけましょう。
前腕を太くするトレーニングプログラム
重量を扱えるハンマーカールから始めて、リストカールとリバースカールをその後に持ってくることで筋肉を十分疲労させることができます。
各レップ数と順番をまとめると次のようになります。
前腕を太くするトレーニングプログラム
- ハンマーカール:10レップスで限界になる重量、2セット
- リストカール:15~20レップスで限界になる重量、2セット
- リバースリストカール:15~20レップスで限界になる重量、2セット
背中の日に入れてもいいですし、上腕を鍛える日に追加してもOKです。
ただ前腕を鍛えた翌日に背中トレがこないようにだけ注意してください。
パワーボールなら遊び感覚で鍛えられる(番外編)
わたしはいつも長続きしません。そこで取り入れたのが「パワーボール」です。
「パワーボール」はおもちゃみたいなもので、遊び感覚で前腕を鍛えることができる優れた商品です。
とくに前腕の持久力を高めるのに効果的です。
パワーボールの中に入っているボールがジャイロ回転することで、パワーボールが暴れようとします。これを握力を使って押さえつけることで前腕を鍛えることができるのです。
パワーボールの中にも色々な種類がありますが、紐でボールを回転させるタイプはなれるまで面倒くさい上に紐をなくすと使えなくなってしまう可能性があるので、「オートスタート機能」をもったタイプを選ぶようにしてください。
今回はここで解説を終わりにします。
みなさんも前腕を鍛えて、かっこいい腕を手に入れましょう!
それではまた!
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