筋トレをしていると、こんなうわさを耳にすることはありませんか?
- 脚トレは上半身を鍛える上でも大切
- 脚トレをすると成長ホルモンがたくさん出て、上半身の筋肉もつきやすくなる
最初に結論を言ってしまうと脚トレによって上半身の筋肉が増えることはありません。
上半身の筋肉だけを鍛えたい人は下半身トレは不要です。
ではなぜ脚トレが上半身の筋肉量アップに効果的なんて嘘が出回ってしまったのでしょうか。
この記事ではエビデンスを元に真相に迫っていきたいと思います。
また記事の後半には下半身トレが上半身にもたらす筋量アップ以外の効果について説明します。
この記事を読むと分かること
- 脚トレが上半身の筋肉を増やさない理由
- 成長ホルモンと筋肥大の関係
- 脚トレをするメリット
- 脚トレに効果的な種目
脚トレがもたらす上半身への効果の誤解
脚トレが上半身の筋肉を増やすという理屈は、体の中で最も大きい筋肉である脚を鍛えることで、成長ホルモンがたくさん分泌されるからというものです。
脚トレを行うと成長ホルモンがたくさん分泌されるのは正しい知識です。
でも成長ホルモンと筋肥大は別物だと考えてください。
詳細は筋肥大機構についての文献をまとめたこちらの論文を読んでいただきたいのですが、簡単にまとめると下記のようになります。
- 筋肥大に重要なのはIGF(インスリン様成長因子)の分泌
- 成長ホルモンとIGFの分泌に相関はない
- 成長ホルモンの分泌をなくしたラットに運動させても筋肥大した
成長ホルモンは基本的に全身に関わるものです。
成長ホルモンと筋肥大に密接な関係があるとすれば、片腕を鍛えただけで、鍛えていない方の腕にも筋肉がつくはずです。
現実にはそんなことは起きません。これは成長ホルモンと筋肥大の間に関連性がないことを示していますよね。
筋トレは鍛えたい部位を鍛えないと筋肥大しません。
成長ホルモンのように全身に働きかけるものではなく、局所的に機能する成長因子(IGF)が大事だからです。
したがって脚トレをしただけで上半身の筋肉が増えることはありませんし、脚トレによって上半身の筋肉が速くつくなんてこともありません。
脚トレの真実
- 脚トレを行うと成長ホルモンがたくさん出るのは本当のこと
- 成長ホルモンと筋肥大は別物なので、成長ホルモンがたくさんでるからって筋肉が増えるわけではない
- 上半身を鍛えたいなら、上半身を集中して鍛えるのが近道
脚トレが上半身にもたらす効果
脚トレによる成長ホルモンの分泌は上半身の筋量とは無関係だと説明しましたが、脚トレが全く無意味かと言われるとそうではありません。
脚は全身の土台となる部位です。
したがって全てのトレーニング、特に立って行うトレーニングでは必ず使用される部位です。
BIG3のひとつであるデッドリフトは背中に強烈な刺激を与える種目ですが、これはハムストリングスおよび大腿四頭筋が強く関与します。
特に高重量になればなるほど、脚の筋肉も必要になります。
デッドリフトで背中により強い刺激を与えようと思うと土台である脚を鍛えざるを得なくなるのです。
背中以外にもスタンディングショルダープレスなど高重量を扱うトレーニングには強い土台が必要不可欠です。
上半身を鍛える上で脚が弱いと感じたら、頻度は少なくてもいいので定期的に鍛えてみるといいでしょう。
脚トレの重要性
脚トレやるならスクワット
じゃあせっかくだから脚トレをしてみようかなと思った方にやって頂きたいメニューは「スクワット」です。
スクワットは脚だけでなく体幹、つまり体のコアを鍛える効果もあります。
体幹は体のバランスを保つのに必要な筋肉で、BIG3をはじめとした高重量を扱うフリーウェイトトレーニングには必要不可欠です。
体幹がしっかりしていると全身に力が伝わりやすくなり、トレーニングで最大限の力を発揮することができます。
マシンで行う脚トレの代表格である「レッグプレス」は初心者でも取りくみやすい種目ですが、これは上半身や腰が固定された状態で運動を行うので、体幹を鍛える効果はありません。
また大腿四頭筋への刺激もレッグプレスよりスクワットの方が約2倍も大きいとする研究結果も有ります。
上半身トレーニングの強化と脚の強化の両面から、まずはスクワットから取り組むのがいいでしょう。
スクワットはメインとして大腿四頭筋を鍛える種目なので、余力があればハムストリングスを鍛える種目も追加するとバランスが良くなります。
スクワットの効果
- レッグプレスよりスクワットの方が約2倍筋肉への刺激が強い
- スクワットは体幹を強くするので、上半身トレの安定感を増してくれる
まとめ-脚トレがもたらす上半身への影響-
脚トレと上半身の筋肥大には直接的なかかわりはありませんが、高重量を使用する上半身トレーニングの質を上げてくれるなど間接的に良い影響をもたらしてくれます。
今回お話しした内容をまとめると以下のようになります。
まとめ
- 脚トレによって分泌される成長ホルモンが上半身の筋肥大に関係することはない
- 体の土台となる脚は高重量トレーニングを行った時の安定感を高めてくれる
- 上半身へ良い効果をもたらしてくれるメニューは「スクワット」
脚トレはきついので、なかなかモチベーションが上がりませんが、その分やった後の達成感は半端ないです。
皆さんも前向きにチャレンジしてみて下さい。
それではまた!
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