突然ですが、あなたは一度に何部位鍛えますか?
私は一度に最大2部位を鍛えます。具体的には「背中・腕」を鍛える日、「胸・肩」を鍛える日、「脚」を鍛える日と全身を3分割してトレーニングしています。
筋トレを始めて間もない頃は、ジムに行くと必ず全身を鍛えていました。しかしトレーニングの慣れてくるうちに、全身を一回で終えるのが難しくなってきて、まずは「上半身の日」と「下半身の日」の2分割でトレーニングを行いました。
今度は上半身の中でも特に集中して鍛えたい部位ができたので、今のような3分割スタイルに落ち着きました。
この全身の筋肉を分割して鍛える方法を「分割法」と呼びます。
ボディビルダーやフィジーカーは必ずこの分割法を採用してトレーニングを行っています。
人によって適切な分割法が異なるので、この記事では分割する上でのルールと具体的な分割例をご紹介していこうと思います。
この記事を読むと分かること
- 自分にぴったりの分割法が見つかる
- 分割法のメリットが分かる
- 分割するときのルールが分かる
多くのトレーニーが分割法を採用する理由
本格的に筋トレに取り組む人のほぼ全員が何かしらの分割法を取り入れている理由は一体何なのでしょうか。
まず私の経験からお話しすると、一度のトレーニングで全身を鍛えようと思うと疲労度が大きく、各部位1種目、頑張っても2種目が限界でした。
それにトレーニング後半の種目は強い倦怠感を伴いながら鍛えることになるので、精神的にはきつくても、筋肉はきちんと追い込めていませんでした。
各部位1種目かつその種目で追い込めていないとなると筋肥大しにくく、筋肉のバランスも悪くなってしまいます。
上記のことに気が付いてからは、疲労度を減らすことと種目数を増やすことを目的に分割法を取り入れることにしました。
また科学的にも分割法を採用した方が筋肥大に有利だと考えられます。
一日で全身をしっかり追い込もうと思うと、トレーニング時間が長くなってしまいます。トレーニング時間が長くなると筋肉にとっては悪いことばかりです。
筋肉を合成するホルモンのテストステロンは長時間のトレーニングにより分泌量が減ってしまうことが分かっています。
それだけでなく、筋肉を分解するホルモンのコルチゾールはトレーニングが長引くと分泌量が増えてしまいます。
筋肉は常に合成と分解を繰り返して、この二つのバランスで筋肉量が増減します。
長時間トレーニングでテストステロンレベルが下がり筋肉の合成がストップし、なおかつコルチゾールレベルの上昇で筋分解が促進されると筋肉はみるみる減ってしまいます。
これではせっかくの筋トレが台無しになってしまうので、科学的にも分割法を採用した方が良いでしょう。
トレーニング時間が75分を超えると、上記の現象が起きてしまうので、一回あたりのトレーニング時間が75分以内になるように分割するのが適切です。
ポイント
トレーニング時間が75分以内になるように分割してトレーニングすると良い
分割法のルール
ここでは効率よく筋肉を増やすために必要な分割法のルールをご説明します。
(もちろん、筋肥大のことを全く考えなければ、どう分割してもいいです)
分割法のルール
- 3日以上連続してトレーニングを行わない
- 疲労している筋肉を鍛えないようにする
- 1回あたりのトレーニング時間を75分以内にする
ルール①はオーバートレーニングを防ぐためです。部位を変えていても、体が感じるストレスは確実に蓄積されます。
私の経験から3日連続でトレーニングすると3日目のトレーニングで集中力が保てなくなったり、体調を崩してしまうことが多かったです。
日中仕事をしている方は2日連続でトレーニングしたら1日休養日を設けるようにしましょう。
ボディビルダーの選手は筋トレが仕事であるため、昼寝をしたりして人よりも多く休養時間を取っています。彼らのトレーニングルーティンを模倣しても一般人には適していないので注意して下さい。
ルール②は分割法で特に気をつけなければいけないルールになります。
例えば、上腕三頭筋を鍛えた翌日に胸トレーニングを行ってしまうと、胸トレーニングで本来あつかえる重量が扱えなくなってしまいます。これではトレーニングの質を落とすことになってしまい効率的なトレーニングとは言えません。
鍛えたい部位とそれに関与する部位のトレーニングは最低でも中二日あけるのが適切です。
ルール③は前項で説明した内容で、効率的な筋肥大を目指すためには、75分以内にトレーニングを終えることが望ましいです。
分割する際には、鍛えたい部位とその種目を洗い出し、トータルのトレーニング時間がどれくらいになるのか予想してみると良いでしょう。
最適な分割法の例
2分割(初心者、忙しい人向け)
トレーニング歴半年未満の筋トレ初心者や忙しくてトレーニングできる日が限られている方は2分割でトレーニングを行いましょう。
トレーニング初心者は各部位週3回鍛えることで素早く筋肥大することができます。細かく分割しすぎると週3回もトレーニングできなくなってしまうので、2分割がおすすめになります。
ただこれはあくまで初心者に限った話で、トレーニング歴が長くなると週3回ではオーバートレーニングになりやすく、週2回に頻度を減らした方が筋肥大効果が高いことが研究から分かっています。
したがってトレーニングを始めて半年たったところで、休養日を増やして週2回のトレーニングにするか、さらに細かく分割して一回あたりのトレーニングの質を高めると良いでしょう。
2分割する場合は、「胸・背中・腕」と「肩・脚」に分割するのがおすすめです。
トレーニングルーティンは初心者は、「胸・背中・腕」⇒「肩・脚」⇒休み⇒「胸・背中・腕」⇒「肩・脚」⇒休み⇒・・・というように各部位週3回ずつ鍛えるといいでしょう。
トレーニング歴が半年以上の人は、「胸・背中・腕」⇒休み⇒「肩・脚」⇒休み⇒「胸・背中・腕」⇒休み⇒「肩・脚」・・・というように1日おきにトレーニングを行います。
トレーニングルーティンの一例
Day1 | Day2 | Day3 | Day4 | Day5 | Day6 | Day7 | ・・・ | |
胸 | 〇 | オフ | オフ | 〇 | オフ | |||
背中 | 〇 | 〇 | ||||||
二頭 | 〇 | 〇 | ||||||
三頭 | 〇 | 〇 | ||||||
肩 | 〇 | 〇 | ||||||
脚 | 〇 | 〇 |
2分割法の注意点はトレーニング時間が長くなりやすいため、各部位2種目でしっかり追い込むクセをつけるようにしましょう。
以前こちらの記事でお話ししましたが、各部位2種目、多くても3種目行えばバランスよく全身を鍛えることが可能です。
-
【筋トレ】同じ部位を何種目もやる必要はない!1部位2種目で効率UP
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少ない種目でみっちり追い込むことで、筋肥大に有効な75分以内でトレーニングを終えることが可能になります。
「胸・背中・腕」の日は3部位鍛えなければいけないので、腕はスーパーセットで時短トレーニングを行うとより時間に余裕をもってトレーニングできます。スーパーセットで腕トレを行う方法については次の記事で紹介していますので参考にして下さい。
-
腕を太くする筋トレ方法を紹介。スーパーセットを使って短時間で追い込め!
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週3~4でトレーニングオフの日を作ることができるので、プライベートが忙しい人には最適な分割法です。
2分割のポイント
- トレーニング初心者は週に各部位3回ずつ鍛える
- トレーニング歴半年以上の人は週に各部位2回ずつ鍛える
3分割(一般向け)
3分割法にすると、体の中でも最も大きい筋肉である「脚」、人気な部位である「背中」、「胸」をバラバラに鍛えることができます。
これらの3つの筋肉はトレーニングで追い込むと疲労度が非常に高いため、一日で同時に鍛えると多くの種目を行うことができません。そこで3分割にしてバラバラに鍛えることで、疲労がたまっていないトレーニング1種目目に各部位のトレーニングを持ってくることができるので、トレーニングの質を最大限高めることができます。
分割方法は、「胸・三頭」、「背中・二頭」、「脚・肩」の3つに分けるか、「胸・三角筋前部」、「背中・三角筋後部」、「脚・腕」の分割がおすすめです。
前者は肩を集中して鍛えたい時に有効で、後者は腕を鍛えたい場合に有効です。自分の目指す身体に合わせて使い分けると良いでしょう。また一ヶ月ごとに切り替えるのも効果的です。
トレーニングルーティンは、「胸・三頭」⇒「背中・二頭」⇒休み⇒「脚・肩」⇒休み⇒「胸・三頭」⇒「背中・二頭」・・・というように胸・背中を連続して鍛えた後に一日休養して脚の日にするのが良いです。
理由は胸・背中トレーニングは腕や肩を補助筋として使用するため、休まずにトレーニング行ってしまうと筋肉痛が残っていて力が出せない可能性があるからです。
それ故に胸・背中と肩・腕の間には1日休養日をとるようにして下さい。
トレーニングルーティンの一例
Day1 | Day2 | Day3 | Day4 | Day5 | Day6 | Day7 | ・・・ | |
胸 | 〇 | オフ | 〇 | オフ | ||||
背中 | 〇 | 〇 | ||||||
二頭 | 〇 | 〇 | ||||||
三頭 | 〇 | 〇 | ||||||
肩 | 〇 | |||||||
脚 | 〇 |
3分割にすると休養日が週3日しかないため、自由に使える時間が多くある人向けです。
3分割のポイント
「胸と背中」と「腕と肩」のトレーニングの間には休養日を一日入れる
4分割(アスリート向け)
4分割法はかなりハードなトレーニングになるので、筋トレに費やす時間が多いアスリートや学生におすすめの分割法になります。
その分各部位を上手に休ませながらルーティンを回していけるので、筋肥大効果は高いです。
また細分化して鍛えるため、各部位のトレーニング時間が伸びるので、たくさんの種目を行うことができ、バランスのいい筋肉を手に入れることが可能です。
4分割では、「胸・二頭」、「脚」、「肩・三頭」、「背中」に分けるのが良いでしょう。
そしてトレーニングルーティンは「胸・二頭」⇒「脚」⇒休み⇒「肩・三頭」⇒「背中」⇒休み⇒「胸・二頭」・・・とすることで全部位がフレッシュな疲労の溜まっていない時にトレーニングすることができます。
トレーニングルーティンの一例
Day1 | Day2 | Day3 | Day4 | Day5 | Day6 | Day7 | ・・・ | |
胸 | 〇 | オフ | オフ | 〇 | ||||
背中 | 〇 | |||||||
二頭 | 〇 | 〇 | ||||||
三頭 | 〇 | |||||||
肩 | 〇 | |||||||
脚 | 〇 |
休養日が週に2回だけと私生活のほとんどの時間をトレーニングに費やすことになるので、一般の方にはあまりおすすめできません。
4分割のポイント
筋肥大効果は最も高いけど、トレーニングに費やす時間が非常に長くなる
最後に
分割法は上手に行うことでトレーニングの質をぐっと高めてくれます。
分割法のメリット
- 一回あたりのトレーニング時間を短くできるため筋肥大に有効
- 各部位にかける時間が増えるためトレーニングの質が上がる
- フレッシュな状態でトレーニングできるので全身バランスよく筋肉がつく
今回は2分割、3分割、4分割と色々な生活スタイルにあった分割法を紹介しました。
あなたにぴったりな分割法を選んで、トレーニングに励んでみて下さい。
それではまた!
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