最近は筋肉隆々なユーチューバ―が説明する詳しい解説動画や海外の有名ボディビルダーのトレーニング動画を簡単に見ることができます。
それによって、筋トレに励む人が増えたり、筋トレの知識を身につけることが簡単にできたり、フィットネス業界が盛り上がりを見せています。
そんな中あまり語られないのが「ナチュラルとステロイドユーザーのトレーニング法の違い」です。
海外の選手の多くはステロイドを使っていますし、日本人でもプロカードを取得した選手、プロを目指す選手はユーザーである可能性が高いです。
彼らのトレーニングを真似したところで、我々ナチュラルの筋肉が効率良く発達するわけではありません。ステロイドユーザーとナチュラルそれぞれにとって有効なトレーニング方法は必ずしも同じではないのです。
この記事ではナチュラルで頑張る人に向けたナチュラル向けのトレーニング方法をご紹介します。
この記事を読むと分かること
- ナチュラル向けトレーニング方法
- Youtube動画で参考にすべき点
- ナチュラルで手に入る限界筋肉量
目次
ナチュラル向けトレーニング方法
いきなり結論に近いですが、ナチュラル向けのトレーニング方法をまとめました。
ナチュラルが最速で筋肉を大きくするためには、「大きな刺激」を「最低限のボリューム」で与えることが大切です。
ナチュラル向けトレーニング方法
- 種目:フリーウェイトメイン×コンパウンド種目
- 種目数:2~3種目
- 重量:1RMの70~85%
- レップ数:8~12回
- セット数:2~3セット
- インターバル:3~5分
- トレーニング時間:1時間以内
- 頻度:各部位週2回
フリーウェイト×コンパウンド種目行う
ステロイドユーザーの多くはマシンやケーブルでのトレーニングに重点を置いています。
しかしナチュラルで筋肉を大きくしたいと思った時にこれらのトレーニング方法は適していません。
マシントレーニングは軌道が固定されており、体幹を安定させる筋肉も使う必要がないため、一度に刺激できる筋肉の数が減ってしまいます。
フリーウェイトは体を安定させるために狙った筋肉以外の筋肉も働いています。より多くの筋肉が刺激されれば筋合成を起こすテストステロンや成長ホルモンの分泌が旺盛になります。
ナチュラルは如何にしてテストステロンレベルを高めるかが筋肥大の鍵になるので、トレーニングメニューを考える時は必ずフリーウェイトを中心に考えるようにしましょう。
フリーウェイトで追い込んだ後に、対象筋に刺激を与えるという意味ではマシンやケーブルも有効なので、補助的に使う分にはOKです。
また筋肉に大きな刺激を与えるために、コンパウンド種目(多関節種目)を第1種目に取り入れるようにしましょう。
ユーチューブなどでは単関節種目ばかり行っている選手を多くみかけますが、これもやはりナチュラル向けのトレーニングではありません。
高重量かつ複数の筋肉を動員して行うコンパウンド種目の方がテストステロン値を高め、また筋肉へのストレスも大きいので、筋肥大しやすいです。
コンパウンド種目とは
- コンパウンド種目:複数の関節が動く種目のこと(ベンチプレス、懸垂、スクワットなど)
- アイソレート種目:一つの関節しか動かない種目のこと(ダンベルフライ、プルオーバー、アームカールなど)
インターバルを長めにとる
ステロイドユーザーのトレーニングの大きな特徴は1分以下の短時間インターバルを好んで行うことです。
でもナチュラルが短時間インターバルのトレーニングを行ってもあまりいい結果は得られません。
短時間インターバル(SR)と長時間インターバル(LR)ではホルモンの分泌が異なることが分かっています。
次のグラフはテストステロンレベルとコルチゾールレベルを比較したものになります。
テストステロンレベル
コルチゾールレベル
筋肥大を促すホルモン(=テストステロン)は短時間インターバルの方がたくさん分泌されることがこの研究結果から分かります。
一方筋肉を分解するホルモン(=コルチゾール)も短時間インターバルの方がたくさん分泌されています。
短時間インターバルは、筋合成と筋分解の両方を活性化させるのです。そしてその結果、長時間インターバルよりも短時間インターバルの方が筋肉の成長が遅かったのです。
ステロイドにはコルチゾールレベルを下げる効果があるため、短時間インターバルでもコルチゾールが上がりにくく、テストステロン値だけを上げることが可能です。
ナチュラルがこれを真似しても、コルチゾールの分泌により筋肥大が遅くなるだけになってしまいます。
インターバルはなるべく3分以上とるように心がけて下さい。
▽インターバルについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
筋トレに最適なインターバルを科学的に説明。短時間インターバルは逆効果!?
ボリュームを少な目にする
ボディビル選手の一部は2時間以上にもおよぶトレーニングを行っています。
またレップ数が極端に多かったり、セット数も4セット以上と全体的なトレーニングボリュームが非常に大きいことが特徴です。
これらのトレーニングはナチュラルにとって逆効果になってしまいます。
トレーニング時間について調べた研究では、1時間以上のトレーニングで筋分解を起こすコルチゾールレベルが増加し、40分以上のトレーニングで筋合成を起こすテストステロンレベルが下がってしまうことが分かっています。
- コルチゾール(筋分解):1時間以上のトレーニングで増える
- テストステロン(筋合成):40分以上のトレーニングで減る
つまり40分以下のトレーニングが最適で、それが無理でも1時間以内に収めるのがベターだと言えます。
3分以上のインターバルをとらなければいけないことを考えると、セット数や種目数を減らす必要があります。
セット数について調べた研究では1セットでも3セットでも完全に追い込めれば筋肥大効果に変わりはないという結果が出ています。しかし理論的に考えると1セットで追い込むことは不可能なので、2セットはやる必要があります。
しっかり追い込んでいれば、3セットも4セットもやる必要はないので、トレーニング時間を短くするためにも「毎セット追い込んで、合計2セット行う」のを習慣にしましょう。
▽ボリュームを減らすことのメリットについては下記記事で詳しく説明しています。
トレーニング動画(Youtubeなど)で参考にすべき点
ステロイドユーザーのトレーニング方法が全て悪いわけではありません。
それぞれ考えがあって、そのトレーニングをしているので必要だと思った点はナチュラルであっても随時取り入れてみるのが成功の秘訣でしょう。
いくつか参考にすべき点と参考にしてはいけない点を挙げたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
参考にすべき点
- トレーニングフォーム
- 筋肉を意識する方法
- 種目のバリエーション
- 食事法
特にトレーニングのフォームについては非常に参考になることが多いです。
例えばショルダープレスのトップポジションで肘を伸ばし切らないとか、どこまでストレッチをかけるのか、収縮させる時に意識するポイントなどなど。
熟練のトレーニーだからこそ知っている重要なポイントを動画を通して、簡単にまねできてしまうのは素晴らしいことです。
ナチュラルの限界筋肉量
ステロイドユーザーとナチュラルのトレーニングにはかなり差があるように、最終的につけられる筋肉量にも大きな差があります。
一体自分はどれだけ筋肉をつけることができるのか知りたいという方向けに簡単計算シートを作りました。
下記記事に入っているので、ぜひお試しください。(もちろん無料でできます!)
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筋トレで手に入る筋肉量には限界がある!簡単な計算で自分を分析してみよう
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ナチュラル向けトレーニング方法まとめ
ナチュラルとユーザーでは適したトレーニング方法が大きく異なることがお分かり頂けたでしょうか?
ナチュラルはナチュラルに適したトレーニングを行うことが速く大きな筋肉を手に入れる秘訣です。
「大きな刺激」を「最低限のボリューム」で与えることを念頭においてトレーニングしていきましょう。
ナチュラル向けトレーニング法まとめ
- 種目:フリーウェイトメイン×コンパウンド種目
- 種目数:2~3種目
- 重量:1RMの70~85%
- レップ数:8~12回
- セット数:2~3セット
- インターバル:3~5分
- トレーニング時間:1時間以内
- 頻度:各部位週2回
「大きな刺激」を「少ないボリューム」で与える!
最後までお読み頂きありがとうございました。
良い体を目指して頑張りましょう!それではまた!
ナチュラルでも身体を大きくしたい場合はホエイプロテインの質にもこだわると良いです。
加水分解ホエイプロテインは普通のホエイに比べて半分近い吸収速度なので、筋合成効果が高いことが分かっています。
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