高強度のトレーニングを行った時にめまいを感じたことはありませんか?
またトレーニング後、数日たっても疲労がぬけないと感じたことはないでしょうか?
私はこの原因不明のめまいと疲労感に長年悩まされてきました。
それがある日サプリメントで鉄を飲むようになってから、症状が劇的に改善されました。
この記事では、一見関係なさそうな鉄と筋トレの関係を説明していきます。
筋トレで鉄不足に陥る原因
高重量のウェイトトレーニングをはじめとした高強度のトレーニングを続けていると貧血を起こしやすくなります。
この貧血は鉄不足が原因です。鉄不足の原因を知るために、まずは鉄の役割をおさらいしましょう。
体内での鉄の役割
成人の身体には3~4%の鉄が存在します。
そのうち70%は「機能鉄」と呼ばれ、赤血球中のヘモグロビンにヘム鉄として存在しています。この機能鉄は酸素と結びつき、全身に酸素を運搬する役割を果たします。
残りの30%は「貯蔵鉄」と呼ばれ、肝臓や骨髄などにたくわえられており、機能鉄が不足した時に使用されます。
鉄は体内で再利用されるので、ほとんど体外へは排出されず、その量は1日に1mgだけとも言われています。
筋トレは鉄の必要量を増やす
筋トレを行うためには、筋肉を動かすエネルギーが必要になります。このエネルギーを生み出すのに酸素は必要不可欠なので、筋トレを行うと酸素の運搬能力を向上させる必要があります。
酸素運搬には赤血球が必要なので、赤血球の材料である鉄が大量に必要になります。
さらに筋トレで筋肉量が増えると、より多くの筋肉を動かすために、さらに鉄の必要量が増えます。
↓赤血球のメカニズム
(筋トレ中に必要な酸素は赤血球が運搬しているため、高強度のトレーニングを継続して行うと、体はたくさんの赤血球を作ろうとして鉄分を消費する)
またトレーニング中の発汗によっても鉄は体外へ排出されます。
汗腺から出たミネラルは皮膚の表面に到達するまでに体内へ再吸収されると言われていますが、トレーニング中は大量の汗をかくため、再吸収が追いつかずに体外へ排出されてしまいます。
筋トレを行うと、筋肉を動かすために鉄の需要が増えるだけでなく、発汗による排出量も増えるので、多くのトレーニーが鉄不足に陥ってしまうわけです。
鉄不足になるとどうなる?
鉄が不足すると、全身に酸素が行き渡らなくなるため、下記症状が起きます。
鉄不足で発生する諸症状
- めまい
- 貧血
- 倦怠感
- 動悸
- 食欲不振
- 頭痛
トレーニング中にめまいを感じたり、トレーニング後しばらく経っても疲労感が抜けず体がだるいと感じる人は鉄不足が原因かもしれません。
また女性は特に月経で血液を失うので、男性よりさらに貧血になりやすいです。高強度のトレーニングを行う女性は特に意識して鉄分を摂取するようにしましょう。
鉄分の摂取方法
鉄を多く含む食品
まずは鉄分を多く含む食品について知っておきましょう。
鉄を多く含む食品
- 肉類:レバー、牛モモ肉
- 魚介類:赤貝、さんま、あさり、かつお
- 海藻類:ひじき、岩のり
- 野菜類:菜の花、小松菜、サラダ菜、切干大根
- 豆類:大豆、インゲン豆、がんもどき、納豆
とりわけ鉄を多く含むのは、レバー、ひじき、岩のり、大豆の4つの食品です。
鉄が足りないと感じた人はぜひ普段の食事にこれらの食品を盛り込みましょう。
鉄の吸収率を高める方法
鉄を摂取する上で気をつけてほしいのが、その吸収率の低さです。
鉄の吸収率は約15%と低いため、鉄不足に陥ったときに十分な量を体に蓄えるのは困難です。吸収率を高くし、体に鉄を蓄えるには食事や調理に工夫が必要です。
実は鉄はビタミンCやタンパク質と一緒に摂取すると、吸収率がアップします。
鉄を摂りたい時は、なるべくタンパク質が多めの食事と一緒に摂取したり、ビタミンCが豊富なフルーツを食事に取り入れたりしましょう。
また鉄といっても2種類あり、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に分かれます。ヘム鉄は動物性食品に含まれ、非ヘム鉄は植物性食品に含まれます。
レバーや赤身肉に含まれるヘム鉄は23%と高い吸収率に対し、野菜や海藻類に含まれる非ヘム鉄は5%と吸収率がかなり低いです。
貧血の症状が強く出ている人は、なるべく動物性食品から鉄を摂るように心がけるといいでしょう。
鉄の吸収率を高める方法をご紹介しましたが、実は吸収率を下げる食品も存在します。
それはコーヒー、紅茶、緑茶などのタンニンを含む食品です。
タンニンは体内で鉄と結びつき、タンニン鉄となり吸収を妨げる作用があります。なるべくこれらの食品は避けるようにしましょう。
鉄の吸収率を高める方法まとめ
- ビタミンC・タンパク質と一緒に摂取する
- 吸収率の高い動物性食品に含まれるヘム鉄を摂る
- タンニンを含む食品は鉄の吸収率を下げる
鉄の摂取期間
鉄不足による貧血は食事改善やサプリメントの摂取で、3~6ヶ月で改善されます。
ただし、機能鉄が十分になっても、貯蔵鉄がいっぱいになるには更に時間がかかります。したがって鉄不足が改善されてからも3ヶ月間ほどは、継続して鉄を多く摂るようにしてください。
またトレーニングを続けている限りは、鉄が一般の人以上に必要になることを理解し、トレーニングを行った日だけでもいいので鉄を多く含む食事を摂るようにしましょう。
わたしはトレーニングをする日だけ、ヘム鉄をサプリメントで飲むようにしていますが、以前のようなひどいめまいや倦怠感に襲われることはなくなりました。
サプリメントは手軽で継続しやすいので、貧血に悩んでいる方の治療には最適です。
まとめ
筋トレを行っている方に現れやすい鉄不足の原因と対策についてまとめました。
筋トレによる鉄不足は、トレーニング中のめまいやトレーニング後の倦怠感を引き起こします。放っておくとトレーニングの質が落ちるだけでなく、疲れによる事故の原因にもなりかねないので、早めに改善を心がけましょう。
筋トレで鉄不足になる原因
- 筋トレのエネルギー源である酸素を運ぶために赤血球がたくさん必要になるから
- 筋トレで筋肉量が増えた分、赤血球が多く必要になるから
- 発汗量が増えることで体外に排出される鉄分が増えるから
鉄不足を解消する方法
- 吸収率の高い「ヘム鉄」を多く摂取する
- ビタミンC、タンパク質と一緒に摂取することで吸収率を高める
- コーヒーやお茶に含まれるタンニンを避ける
食事だけで鉄分を十分とるのは難しいって方はサプリメントをうまく使いましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた!
-
サプリメントはいつ飲むのが効果的?飲むタイミングから選び方まで徹底解説
続きを見る
-
筋トレするとモテるって本当?私の体型変化とモテ具合を振り返る!
続きを見る