周りの人に「筋トレをしている」というと良くこう聞かれます。
「体に悪くないの?」
なぜか日本では筋トレ=体に悪いという印象が強いです。
一方でランニングをはじめとした有酸素運動の方が健康的なイメージがあります。
実際は”真逆”なのに。
この記事では「筋トレが健康に悪いと言われてしまう原因」や「健康的ではない筋トレ方法」を説明したうえで、病気のリスクを下げる筋トレ方法をご紹介します。
この記事を読むと分かること
- 筋トレは本当に体に悪いのか
- 筋トレを続けた場合の病気のリスク
- 健康的な筋トレ方法
目次
筋トレが体に悪いと誤解される理由
筋トレが体に悪いと誤解されてしまう原因のほとんどは「筋トレのことをよくわかっていないから」です。
有酸素運動は誰しもが若いころに経験しますが、日本では本格的な筋トレ(=ウェイトトレーニング)をやった経験がある人はほとんどいません。
慣れ親しんだものは良いものだと思いますし、よくわからないものは遠ざけてしまうのが人間です。
また筋トレといえばボディビルダーを思い浮かべる人が多いと思いますが、海外の有名ボディビルダーたちの多くはアナボリックステロイドと呼ばれる筋肉増強剤を使用しています。
ステロイドは筋肉を増やす一方で体に大きな害を及ぼします。
ボディビルダーがステロイドの副作用で死亡するニュースを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
こうしたイメージもあり、「筋トレ=体に悪い」となってしまったのでしょう。
筋トレが体に悪いと誤解される理由
- ステロイドを使用している選手のイメージが強い
- プロテインが筋肉増強剤だと勘違いしている
- 体がかたくなると勘違いしている
実際筋トレをすることで柔軟性が改善するという研究報告が出ているよ。
体に悪い筋トレも存在する
ではどんな筋トレをしても健康を害さないかと聞かれれば、答えはNOです。
間違った筋トレ方法を実践してしまうと、体にいいどころか、健康を害す危険もあるのです。
具体的には次の4つがあげられます。
健康を害する筋トレ
- ハードにトレーニングをしすぎる
- 筋トレ前後の栄養補給が不十分
- 間違ったフォームでトレーニングを続ける
- 特定の部位だけトレーニングを行う
当てはまる項目がある人は今すぐに改善していきましょう。
ハードすぎるトレーニング
筋トレはもちろんハードに行うべきです。
しかし必要以上にキツくしてはいけません。
筋肉を大きくするにはストレスを与える必要があります。しかしただやみくもにストレスを与えればいいわけではありません。
100のストレスに耐えられる体だとすれば、101のストレスを与えれば筋肉は大きくなります。
それが120や130といった強烈なストレスを与えてしまうと、体が適応できなくなり、回復が追い付かなくなります。
これをオーバートレーニングといいます。
オーバートレーニングの状態は関節や腱に疲労がたまりケガを引き起こしたり、筋肉の分解が激しくなり、筋肉が増えるどころか減ってしまう可能性もあります。
また免疫力も低下するので、病気にかかりやすくなってしまいます。
自分のトレーニングはハードすぎるかどうかを次の判別法を使って判断しましょう。
適切なストレス量の判別法
- 筋肉痛がきた:筋肥大に十分な刺激
- 何日間も続く筋肉痛がきた:トレーニングのやりすぎ
- 筋肉痛がこない:適切な重量で限界回数まで追い込んだのであれば101以上の刺激になっているはず
通常、筋肉痛がきても2日もあれば治ります。これが3日以上続くような筋肉痛が来た場合はトレーニングのし過ぎです。
セット数を減らし、トレーニング時間を短くすることで、筋肥大効果を高めるように改善してください。
▽筋肥大のメカニズムや効率的なトレーニング方法についてはこちらの記事を読んでください。
- 筋トレの超回復理論は嘘?筋肥大メカニズムを知りトレーニングに活かす
- 筋トレが2セットで十分な理由【筋肥大・筋力別に最適セット数を解説】
- 筋トレに最適なトレーニング時間と時間帯。知らないと筋肥大が遅くなる!?
筋トレ前後の栄養補給が不十分
筋トレを始めたばかりの人がよくやってしまいがちな失敗が「栄養不足」です。
筋トレをすると体に負荷がかかるため、それに抵抗するために多くの栄養素が必要になります。
また筋肉を大きくしたり、体を動かすのに必要なエネルギー源も補給しなければいけません。
そのせいでしょっちゅう風邪をひくようになりました。。しかも栄養不足なので筋肉も大きくならず、何をしていたのやら。。
筋トレをする人は今まで以上に食生活に気を付ける必要があります。
ダイエット目的でなく、筋肉をつけたい人はとにかく食事量を増やしましょう。そうすることですべての栄養素の摂取量を増やすことができます。
ダイエット目的で食事量を増やしたくない人は食事内容を見直し、なるべく「高タンパク・低脂質・中糖質」の食生活に切り替えましょう。
どちらの場合も最低限マルチビタミン&ミネラルのサプリメントは摂取しましょう。
間違ったフォームで鍛える
間違ったフォームで筋トレを続けるとケガの原因になります。
扱う重量が軽い頃はフォームがテキトーでも何とかなってしまいます。
しかし徐々に高重量を扱えるようになってくると、関節痛や神経痛を引き起こす可能性が高くなっていきます。
デッドリフトのときは症状がひどすぎて立ち上がれないほどでした。
初心者のころからフォームの改善を行いましょう。
フォームを改善すると、今まで扱えていた重量が扱えなくなる場合があります。
私もベンチプレスのフォームを改善したところ、MAXが110→100kgに10キロも下がったことがあります。
でも一ヶ月で新しいフォームに慣れて、MAX重量が元通りに戻りました。
そして、その後すぐにMAX120kgまで記録更新できました。
フォーム改善は使用重量が下がる危険があるため、なかなか勇気が出ないと思います。
しかし正しいフォームでトレーニングすることは、これからも使用重量を伸ばしていくために必要なことです。
「1か月我慢すれば、1年後にはもっと良い未来が待ってる」そう思ってフォーム改善に取り組みましょう。
特定の部位だけトレーニングをする
全身をまんべんなく鍛えるのではなく、特定の部位だけ鍛える人が意外と多いです。
特定の部位だけトレーニングをするのは体のバランスを崩し、病気の原因になります。
例えば、ベンチプレスばかりをして背中のトレーニングをしていないと、「猫背」になったり「巻き肩」になってしまいます。
巻き肩は肩が内側に入って凝り固まってしまう症状です。
猫背や巻き肩は肩こりの原因になったり、慢性的な疲労感、頭痛を引き起こします。
またボディラインも崩れるため、せっかく筋トレをしているのに、かっこ悪い体になってしまいます。
特に「胸と背中」「上腕二頭筋と上腕三頭筋」「大腿四頭筋とハムストリングス」「三角筋前部と三角筋後部」のように表裏の関係にある筋肉はセットで鍛えるようにしましょう。
どちらか一方が強くなってしまうと、その筋肉に引っ張られて、体のバランスが崩れてしまいます。
病気のリスクを下げる筋トレ法
体に悪い筋トレ方法を紹介してきましたが、その逆を実践すれば病気のリスクをグッと減らすことができます。
病気のリスクを下げる筋トレ方法
- 週2~3回のトレーニング
- 追い込みすぎない
- 筋トレ前後に十分栄養摂取を行う
- 正しいフォームで鍛える
- 全身まんべんなく鍛える
筋トレは病気による死亡率を下げる
アメリカのミシシッピ大学で「筋トレが病気による死亡率に与える影響を調査する研究」が行われました。
対象は20歳以上の男女8772名で、6~7年の追跡調査を行いました。
その結果、トレーニングを継続して行っている場合、トレーニングをしていない場合に比べて、すべての病気の死亡率が23%減少することが明らかになりました。
合わせて週単位のトレーニング頻度も調査したところ、1週間に2~3回のトレーニングを行っている場合に死亡率の大きな減少が見られました。
一方で週5日以上のトレーニングでは死亡率の減少効果が小さいことが分かりました。
トレーニング頻度と死亡率の関係
- 週2~3回:死亡率が23%減少する
- 週5日以上:死亡率の減少効果が小さい
高頻度のトレーニングが死亡率をあまり減少させない理由は「過剰なストレス」と「トレーニングの中断」が考えられます。
特に気をつけてほしいのが過剰なストレスです。
前述した通り、筋トレは体にストレスを与えて、そのストレスに適応しようとすることで筋肉がつきます。
筋トレをすればするほど、体は大きなストレスを抱えることになるのです。
ストレスを過剰に抱えてしまえば、体は常に無理をしている状態になってしまい、いつかガタが来てしまいます。
「適度なストレスは体に良い」なんてよく言われますが、筋トレでも同じです。
筋トレで大切なのは「継続すること」です。
無理の範囲でトレーニング頻度を定めましょう。多くの人は週2~3回がベストなのです。
筋トレ前後の栄養補給を十分に行う
筋トレによる疲労を軽減したり、筋肥大を促進するためには、筋トレ前後の栄養補給が非常に大切になります。
特に筋トレ後は体が栄養不足の状態になっているため、「糖質」と「タンパク質」を十分補給してあげましょう。
トレーニング前は糖質が豊富な食事をとり、トレーニングの2時間以上前には食事を終えるようにしましょう。食事とトレーニングの間が空きすぎるのも良くないので、注意してください。
筋トレ前後の栄養摂取
- 筋トレ前:糖質を十分摂取、トレーニングの2時間前に食事を済ませる
- 筋トレ後:タンパク質・糖質を十分摂取、トレーニング後1~2時間以内に食べ終える
補酵素として働く、ビタミンやミネラルも不足しがちなので、マルチビタミン&ミネラルサプリを有効活用しましょう。
▽筋トレ前後の食事法についてはこちらの記事を参考にしてください。
正しい筋トレで病気に負けない体作りをしよう
筋トレは健康に良くないと勘違いしている人がまだまだ多いですが、最新の研究では「筋トレをすると病気による死亡リスクが23%も低下する」ことが分かっています。
実際私の周りにいるマッチョなおじさん、おじいさんはとても若々しい人たちばかりです。
年をとればとるほど、筋肉が衰えていってしまうので、それに対抗する一番の手段が筋トレです。
一緒に健康的な体作りを目指して頑張りましょう。
病気のリスクを下げる筋トレ法
- 週2~3回のトレーニング
- 追い込みすぎない
- 筋トレ前後に十分栄養摂取を行う
- 正しいフォームで鍛える
- 全身まんべんなく鍛える
週2~3回のトレーニングはあらゆる病気の死亡率を23%下げます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた!
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