ベンチプレスのMAX更新を狙いトレーニングプログラムの見直しを行い真面目にベンチプレスと向き合うこと4か月。
110kgのベンチが上がるか上がらないかの微妙なラインにいた状態から110㎏を確実に持ち上げられるまで成長しました。
あれ?全然伸びてない!?
そうなんです!全然伸びていないんです!
非線形ピリオダイゼーションだの、ストップアンドゴーだのベンチのMAX更新に役に立ちそうなものを手当たり次第に試したにも関わらずです。
かれこれ筋トレ歴3年になる私にとってベンチプレスのMAXは110kgが限界なのかと感じたその時ふと思いました。
そういや筋トレ好きは大体サプリメント漬けだと。
私はあまりサプリメントに頼りたくない、お金が掛かるのが嫌という理由でプロテインしか飲んできませんでした。
でもベンチのMAX更新を諦めるくらいなら一度サプリメントを試してみようという事で数あるサプリメントの中でも筋力増強に効果のある「クレアチン」を飲んでみることにしました。
さあ、ベンチ停滞期真っ只中の私が、クレアチンを飲むことでベンチプレスのMAXを更新できるのでしょうか。
クレアチンの効果
我々が運動する際には必ずATP(アデノシン三リン酸)からエネルギーを得ており、筋トレも例外ではありません。
しかし筋肉にはATPはほんの少ししかないことから、数秒の動作で枯渇します。
そこで重要になってくるのがATPの再合成です。
高強度トレーニングでは、クレアチンリン酸系(クレアチンリン酸がクレアチンとリン酸に分解する反応)でATPを再合成します。
グリコーゲンもATPの再合成に使用されますが、MAXに近い重量を扱う場合はそのほとんどがクレアチンリン酸系になります。
クレアチンは、クレアチンリン酸を作る成分でそのほとんどが筋肉に貯蔵されています。
体重70kgの人の体内クレアチン量は120g程度と言われています。
でも一般的な食事ではクレアチンは1~2g程度しか摂取できないのに対して、毎日1~2gも代謝され尿から排出されるため、普通の食事から体内に貯蔵してあるクレアチン量を増やすことは難しいです。
そこでクレアチンをサプリメントとして摂取し、一日のクレアチン摂取量を増やすことで、体内に貯蔵されているクレアチン量を最大160g程度まで増やすことができます。
クレアチンの貯蔵量が増えると高強度トレーニングを長時間実施でき、筋トレの質が上がると言われています。
クレアチンの安全性
クレアチンはスポーツ界で最もよく研究されているサプリメントの一つです。
クレアチンの健康への影響を調べた研究も数多くありますが、クレアチンが明確に健康被害をもたらすとした報告はありません。
さらに2018年に国際スポーツ栄養学会(ISSN)は筋トレに効果的なサプリメントについてレビューしています。
その中でクレアチンは最も安全で効果的なサプリメントである「エビデンスA」にカテゴライズされています。
筋肥大に対して、エビデンスAにカテゴライズされているサプリメントはこちらです。
- プロテイン
- クレアチン
- HMB
- EAA(必須アミノ酸)
こちらのレビューではクレアチンは明らかに安全とされており、プロテインと並ぶほど筋肥大に重要な栄養素であることがわかります。
使用したクレアチン
MUSCLE TECH社の「PLATINUM CREATINE」を使用しました。
マッスルテックはオプティマムニュートリション派の私にとって馴染みのないブランドでしたが、プロテイン・BCAA・クレアチンをはじめとしたボディメイクに必須な栄養補助食品を多く取り扱うメーカーで規模も大きく信頼できる会社です。
特にクレアチンは安価で入手しやすいことから使用する人が非常に多いそうです。
今回私がこのクレアチンを購入した理由はセールで安かったからです!
一口にクレアチンと言っても様々な種類がありますが、こちらはクレアチンモノハイドレードと呼ばれるタイプです。
クレアチンは数多くの研究報告がありますが、最も有効なのはクレアチンモノハイドレードだとする文献が多いです。
ちなみにクレアチンといえば、「クレアピュア」という高純度クレアチンを使用した製品がいいそうですが、マッスルテックのクレアチンには使用されていません。
ただマッスルテックのクレアチンも純度の高さを売りにしているので、差は対してないでしょう。
何より安いのが貧乏トレーニーには有難いです。
クレアチン摂取方法
マッスルテックが推奨する方法にしたがってクレアチンを摂取しました。それがこちらです。
ローディング期
摂取開始から三日間はクレアチンの体内貯蔵量を増やすために、ローディング期間を設けます。
1日に4回、1回あたり5gのクレアチンを水に混ぜて飲みます。
メンテナンス期
ローディング後は体内クレアチン量を維持するメンテナンス期に入ります。
1日に1~2回、1回あたり5gのクレアチンを水に混ぜて摂取します。
どちらの期間もより効果的にクレアチンを摂取するには水ではなく、炭水化物入りの飲み物やスポーツドリンクで飲むことをメーカーは推奨しています。
私は今回朝食後に水で飲みました。
食事後であれば炭水化物を多く摂取しているのでクレアチンを効果的に体内に吸収させることができます。
飲み方ですが、水に溶かして飲むのが面倒だったので、口に水を含んだあとに、直接粉を口に入れて飲む「ビルダー飲み」を行いました。
クレアチンは一般的に水に溶けないと言われていますが、マッスルテックのクレアチンは微粒になっているので綺麗に水に分散してダマになりにくいです。
面倒でなければ水に溶かして飲むのがおすすめです。
ローディング直後のベンチプレス結果
三日間におよぶクレアチンローディングが終了し、いよいよベンチプレスのMAX更新に挑戦しました。
文献ではベンチプレスのパフォーマンスが20%向上する等ポジティブな結果を載せているものが数多くあったので、+20kgの130kgを挙げられちゃうんじゃないかと少々興奮気味でベンチプレスに臨みました。
まずはMAX挑戦する際に行ういつものアップを済ませました。
アップ
- 20kg×10
- 60kg×10
- 80kg×1
- 100kg×1
100kgがいつもより少し軽く感じられ、MAX更新できる気がしてきました。
現在110kgの私は本来であれば112.5kgに挑戦するべきですが、クレアチンをローディングした私に怖いものはありません。
115kgにいきなり挑戦です。
ラックアップすると、、、
ゆっくりと胸まで下げて、一気に力を入れて持ち上げようとしますが、全く上がりません!
妻omochiに助けられ無事ラックに戻すことができました。
非常に残念な結果になってしまいましたが、
クレアチンをローディングしただけではベンチプレスのMAXは更新できないことが判明しました。
でもよくよく考えてみると当たり前なんです。
クレアチンが効果を発揮するのはATPの再合成の時です。MAX挑戦のように1回だけで終わる数秒間の運動ではクレアチンの有無で差は出にくいです。
クレアチンが効果を発揮するのは高強度トレーニングを長く行った時です。10回程度挙上する場合や3SET目などはATPの再合成効果でいつもより挙上回数が伸びると考えられます。
私は普段、ベンチプレスのメインセットを90kgで行っています。セットを重ねるごとに挙上回数が8⇒7⇒5回と減っていました。それがローディング後は8⇒8⇒7回とセット後半でも回数が減りにくかったです。
クレアチンによるMAX更新効果は、日々のトレーニングの質が向上することによって起こるものと考えられ、ローディングを行うだけではMAX重量は変化しません。
でも一ヶ月後なら更新できるかもしれない!
クレアチン摂取から1ヶ月後のMAX
早いものでクレアチンを摂取して一か月が経過しました。
この間はクレアチンのメンテナンス期なので一日5gずつ毎朝摂取し続け、同時に週1~2回の胸トレを行っています。
胸トレはベンチプレスとインクラインベンチプレスの2種目で週ごとに扱う重量を変える非線形ピリオダイゼーションによるトレーニングプログラムを組んでいます。
非線形ピリオダイゼーションについてはこちらの記事で説明しています。
-
ベンチプレス停滞期を打破!目指せ120kg〜作戦編〜
続きを見る
一ヶ月間のトレーニング内容
- 一週目:80kg×10、9、8rep
- 二週目:90kg×8、8、7rep
- 三週目:100kg×3、3、2
- 四週目:80kg×12、11、9
そしていよいよMAXチャレンジの時が来ました。
まずはいつも通りのアップで身体を温めていきます。
アップ
- 20kg×10
- 60kg×10
- 80kg×1
- 100kg×1
またも112.5kgを飛ばし、115kgに挑戦。
ラックアップすると、、
またまた妻omochiに助けられる始末。
クレアチンを一ヶ月間飲んでもベンチプレスのMAXを更新することはできませんでした。
サプリを飲めばMAX重量が簡単に伸びると思っていたけど、考えが甘かったみたいです。
今一度トレーニング方法を見直して再度115kgにチャレンジすることにします。
それにしてもセールだからって2個も買ってしまったクレアチンをどうしよう。。
お小遣いから引いとくからね
結論
クレアチン摂取前後での体組成変化
クレアチン摂取前と1ヶ月後で体組成計に変化はあったのか見ていきましょう。
使用した体組成計はこちらです。
手と足の両方から測定できるタイプなので、上半身と下半身両方の変化を読み取ってくれます。
こちらがクレアチン摂取前後の体組成変化の結果です。
- 体重:71.2 → 73.9kg
- 体脂肪率:9.8 → 11.1%
- 骨格筋率:40.1 → 39.7%
体重と体脂肪率が増加し、骨格筋率が減っています。
これだけ見るとただただ太ったように見えますね。
でも比率ではなく絶対量で見てみると、
- 体脂肪量:7.0 → 8.2kg(+17%)
- 筋肉量:28.6 → 29.4kg(+2.4%)
体脂肪量だけではなく筋肉量も増加していました。しかも800gも!
トレーニング経験が長い人は年間2~3kgしか筋肉量が増えないと言われているにも関わらず、たった一ヶ月で800gも筋肉量が増えたのはクレアチンの効果だと考えられます。
また体重増加の内訳を脂肪・筋肉・水分の3つに分けて算出しました。
クレアチンを飲むと体の水分量が増えて体重が増加すると言われていますが、それは私にも当てはまり体重増加の26%である0.7kg分が水による体重増加でした。
体組成変化のまとめ
- クレアチンを飲むことで筋肉量の大幅な増加が見られた。
- 同時に体脂肪と水分量も増えた。
まとめ
MUSCLE TECH社の「PLATINUM CREATINE」を購入し、三日間のクレアチンローディングと一ヶ月におよぶクレアチンの継続摂取を続けたが、ベンチプレスのMAX重量は変化しませんでした。
- ローディング直後:MAX更新ならず
- 一ヶ月後:MAX更新ならず
クレアチンは文献からは非常に効果のあるサプリメントであるとされていますが、わたしのように筋トレ歴がある程度長い経験者が摂取しても明らかな筋力増加は見られませんでした。
したがって、クレアチンの摂取による短期的な挙上重量アップは期待しないほうがいいです。
私のようにベンチプレスのMAXを長らく更新できていない”いわゆる停滞期”になっている理由は別にあると思うので、トレーニング方法の見直しを徹底してみて下さい。
一方でクレアチン摂取による筋肉量の増加は確認できたので、筋肥大や長い目で見た時の挙上重量アップには効果があると言えます。
トレーニングを継続して行う人は是非試してみて下さい。
それではまた!
クレアピュアを使用している高純度クレアチンが良い方はオプティマムを選ぶといいでしょう。
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