胸トレをしっかりやっているのに何かが足りないって感じたことはありませんか?
最近はフィジーク人気も相まって、ジムでは大胸筋上部を鍛える人であふれかえっています。
でも大胸筋上部だけでは思ったような胸筋を手に入れるのは難しいです。とくに大胸筋上部は比較的小さい筋肉なので、ここを集中的に鍛えてもボリュームのある胸にはなりにくいです。
ボリューム感を出して、迫力のある胸を作るためには大胸筋下部を鍛えることが大事です。
この記事では大胸筋下部を鍛えるのに適したトレーニングを4つ紹介すると共に、トレーニングプログラムへの組み込み方も説明していきます。
この記事を読むと分かること
- 大胸筋下部を鍛える際のポイント
- 4つの効率的なトレーニング種目
- トレーニングプログラムへの組み込み方
目次
くっきりとした輪郭作りに大胸筋下部は必須
大胸筋のトレーニングと言うと、大胸筋中部や上部が重要視されがちです。
しかし腹筋と大胸筋のセパレートを強くし、迫力ある大胸筋を作るためには大胸筋下部を鍛えるのが大事です。
また大胸筋下部を鍛えることで、胸に丸みができ、ボリューム感を出すことができます。
私は上部と中部のトレーニングしかしてこなかった結果、下部の発達が遅れ、いつまでたってもかっこいい大胸筋を作ることができませんでした。
写真左の上部・中部しか鍛えていなかった時に対して、下部を鍛えだした右の写真は大胸筋と腹筋の分かれ目がハッキリし、ボリューム感が出ているのが分かると思います。
上部と下部しか鍛えていなかった頃
下部のトレーニングを取り入れた後
大胸筋下部だけで、これだけ見え方に差ができてしまうため、大胸筋全体をまんべんなく鍛えていかなければいけません。
腕を上にあげた時に胸が平らに見えてしまう方は大胸筋下部が発達していないサインです。
平らになってしまったって方は次のトレーニングから大胸筋下部の種目を取り入れてみて下さい。
大胸筋下部を鍛えるメリット
- 胸と腹筋の境目がハッキリし、輪郭のある胸を作れる
- 胸のサイズ感が増し、迫力ある胸を作れる
大胸筋下部を発達させる秘訣
大胸筋下部を発達させるためには肩関節の伸展と内転が重要です。
肩関節の伸展は手を上を方向に伸ばしていく動作で、内転は手を横に広げた状態から体の横に戻していく動作です。
(肩関節の役割)
一般的に行われるベンチプレスやダンベルフライでは肩関節の水平屈曲が主な働きとなっているため、大胸筋下部へあまり刺激が入りません。したがって大胸筋下部をターゲットとした種目を取り入れる必要があります。
大胸筋下部の厳選トレーニング種目
デクラインプルオーバー
プルオーバーは肩関節の伸展を行うため大胸筋下部に刺激が入りやすいです。
プルオーバーというと広背筋も鍛えることができるため背中トレーニングと認識している方もいると思いますが、実は広背筋よりも大胸筋に刺激が入りやすい種目です。
しかしプルオーバーを一度でもやってみた方はこう思うはずです。
「どこに効いているのか分からない」
通常のプルオーバーではストレッチポジションで強い負荷がかかりますが、ダンベルが真上に来たときには負荷が完全に抜けた状態になってしまいます。これを防ぐために、真上にダンベルを真上まで持ってくる前に再度ストレッチさせようとすると可動域が狭くなってしまう問題がでてきます。
これを防ぐために、デクラインベンチ台でプルオーバーを行って下さい。
デクラインで行うことで、可動域を広くし、フィニッシュポジションでも大胸筋下部に負荷がのった状態を作ることができます。
ストレッチポジションでは次の写真のように完全に大胸筋をストレッチさせます。
そして収縮ポジションでは大胸筋から負荷が抜けないように地面と上腕が垂直になる直前で止めます。下の写真くらいをイメージして下さい。
背中ではなく大胸筋下部を収縮するように意識しましょう。
プルオーバーはストレッチで強い負荷をかけたい種目なので、重量は比較的軽い重量から始めましょう。
また大胸筋に強い負荷をかけるので、必ずウォーミングアップしてからセットに入るようにして下さい。
プルオーバーのポイント
- 収縮ポジションで負荷が抜けないように、腕を真上まで上げないようにする
- 中重量×8~12レップスで行う
ケーブルクロス(下部狙い)
続いては肩関節の内転動作を行うため、ケーブルクロスを行います。
通常のケーブルクロスでは肩関節の内旋動作になってしまい大胸筋中部に刺激がいきやすいです。
あくまで内転動作を意識するために、グリップを肩の位置にセットするのではなく、もっと高い位置にセットしましょう。
ストレッチポジションでは次の写真のように上に引っ張られる形にします。プルオーバー同様にストレッチでも負荷をかけられる種目なので、できるだけマシン前方に身体を出してストレッチポジションでもテンションがかかるようにして下さい。
そして収縮ポジションでは腕を体の横にもっていくイメージで行います。
右の絵は通常のケーブルクロスですが、これは腕が全歩に出ていますが、左の写真では腕が下を向いていることが分かると思います。
これが正しく大胸筋下部を鍛えられる肩関節の内転動作になります。
ケーブルクロスはストレッチポジションでも収縮ポジションでも負荷が抜けにくい種目なので、筋肥大を狙いやすいです。
プルオーバー同様に比較的軽い重量でハイレップス行うと効果的です。
ケーブルクロスのポイント
- 収縮ポジションで腕が体の横にくるようにする
- 低重量×15レップス以上で行う
デクラインベンチプレス
ここまでは比較的軽い重量で大胸筋下部に刺激を与える種目を紹介しましたが、高重量を扱える「デクラインベンチプレス」も効果的です。
デクラインベンチプレスでは、バーを下す位置を乳首かそれより上になるようにしましょう。
フラットベンチプレスと同様にみぞおちあたりにバーを下してしまうと大胸筋下部がほとんどストレッチしないため、筋肥大しにくくなってしまいます。
下の写真くらいの位置にバーがくるようにベンチ台をセットしましょう。ベンチ台の角度は30℃がベストです。
収縮ポジションでは負荷が抜けないように肘を伸ばし切らないようにします。
肘を完全にロックさせてしまうと、大胸筋の負荷が抜けるだけでなく、肘を傷める危険性もあります。
これを防ぐためにも、下の写真くらいで切り替すようにして下さい。
デクラインベンチプレスは高強度で行える多関節種目なので、高重量×低レップスで行いましょう。
デクラインベンチプレスのポイント
- バーが乳首の上にくるようにする
- 高重量×5~8レップスで行う
ディップス
ディップスは、デクラインベンチプレスと同様に高重量を扱えるプレス種目です。
またデクラインベンチプレスよりもストレッチさせることができるので、筋肥大効果も大きいです。
ディップスでは身体を直立にすると上腕三頭筋に刺激が入りやすいので、体を前傾させるようにしましょう。これにより大胸筋下部に刺激が入りやすくなります。
ストレッチポジションでは写真のように上腕と地面が水平になるくらいまで体を下しましょう。
収縮ポジションでは肘を伸ばし切った方が大胸筋下部を収縮させることができますが、同時に上腕三頭筋への刺激も強くなります。またデクラインと同様に肘を傷める危険があるので、下の写真のように肘をロックしない方法がおすすめです。
ディップスは高重量で行えるのが特徴なので、自重で15レップス以上できるようになったら、加重して行いましょう。
私はAmazonで購入した3000円未満の加重ベルトを使用していますが、30kgの荷重でも問題なく使えています。懸垂でも使えるので便利です。
ディップスのポイント
- 体を前傾させる
- 高重量×5~8レップスで行う
トレーニングプログラムの組み方
大胸筋下部を鍛えるメニューは通常の胸トレに最低一種目組み込めば十分です。
大胸筋下部を短期間で筋肥大させたい場合は、胸トレの一種目目に「デクラインベンチプレス」もしくは「加重ディップス」をもってくると良いでしょう。
この時はいままで1種目目にもってきていたベンチプレスやダンベルプレスはやめて、その代わりダンベルフライなどの中部を鍛える単関節種目をプラスしましょう。
少し長い目で下部を発達させたい場合は、胸トレの最後に「プルオーバー」もしくは「ケーブルクロス」を追加して下さい。
マンネリ化してきたら、1週目はデクラインorディップス、2週目はプルオーバーorケーブルクロスにして、3週目はデクラインに戻るなど非線形ピリオダイゼーションにするとマンネリを脱しやすくなります。
この時、デクラインならデクラインと決めて途中でディップスに切り替えないようにして下さい。
大胸筋下部をトレーニングプログラムに取り入れる方法
- 短期間で発達させたい人:高重量を扱える「デクラインベンチプレス」or「ディップス」を胸トレの1種目目と入れ替える
- 中部や上部を優先しつつ発達させたい人:「プルオーバー」or「ケーブルクロス」を胸トレ最後の種目にプラスする
最後に
かっこいい大胸筋作りに欠かせない下部ですが、意外と後回しにしてしまいがちです。
通常の胸トレーニングでも下部には多少刺激が入るので、下部のメニューを一種目追加するだけで十分効果を出すことができます。
今回紹介した4種目はどれも大胸筋下部の発達に効果的なものなので、お好きなメニューを選んで取り組んでみて下さい。
最後までお読み頂きありがとうございました。
それではまた!
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