「筋トレを始めたころは重量がどんどん伸びて楽しかったけど、最近は全然伸びなくなってしまった」
筋トレを続けていて、こんなことを感じたことはありませんか?
筋トレで重量が伸び悩むのは当然のことで恥ずかしいことでもなんでもありません。
むしろ重量が伸びていないことに気が付いた時点で素晴らしいです。私は重量が伸びていないのを全く気にせず1年間そのままトレーニングを続けていましたから!笑(良い子は決して真似してはいけません)
重量が伸び悩むにはいくつか原因があり、代表的なところでいうと、「同じ刺激に体が慣れる」「間違ったフォームで筋肉が成長していない」「筋力が伸びていない」などがあります。
基本的なフォームが間違っていなければ、筋肉を増やし、筋力を向上させれば、必ず重量は伸びていきます。
この記事では、筋力と筋肥大の両方を停滞させずに成長させていくトレーニングプログラムをご紹介します。
目次
停滞期を脱出する方法
筋トレの効果が見えなくなってくる停滞期は、筋トレを初めてしばらくたった人が直面しやすい問題です。
初心者のころは、とにかく同じトレーニングを行っていても、体がどんどん適応して、重量が伸び筋肉も大きくなっていきます。
しかし数か月~1年くらいたつと、成長が遅くなっていきます。
成長が遅くなってしまう原因は、「体がトレーニングに慣れてしまったこと」や「強度が低いこと」など挙げられます。
原因が分かれば、あとはその対策をすればOKです。
停滞期を脱出する方法
- 体を慣れさせない
- 高重量のトレーニングを入れる
- 扱う重量を徐々に増やしていく
常に新しい刺激を与える「非線形ピリオダイゼーション」
停滞期の主な原因は「慣れ」です。
同じようなトレーニングばかり行っていると、人間の体は次第にそのトレーニングに慣れていきます。そうすると新しい刺激を感じなくなってしまい、筋肉の成長をとめてしまうのです。
この慣れを打破するにはトレーニング内容を毎回変化させる「非線形ピリオダイゼーション」が有効です。
非線形ピリオダイゼーションは非線形という名の通り徐々に重量をあげるわけではなく、波をつくってあげるプログラムのことを指します。
こちらが非線形ピリオダイゼーションのトレーニング例になります。
- 1週目 MAX80%kg×10回
- 2週目 MAX70%kg×15回
- 3週目 MAX90%kg×5回
- 4週目 MAX80%kg×10回
トレーニング1週目は中重量で中回数のトレーニングを行い、2週目は軽い重量で高回数を行います。3週目は重い重量で低回数行い、4週目で最初のトレーニング内容に戻します。
こうすることで、筋肉に毎回違った刺激を与えることができ、停滞しにくくなります。
実際、非線形ピリオダイゼーションに基づくトレーニングプログラムの方がベンチプレスやレッグプレスのMAX重量が伸びるという研究結果も出ています。[1]
下のグラフがその結果です。Non-periodizedは重量を変えないでトレーニングした場合、Linearは重量を少しずつ増やした場合、Non-Linearが非線形ピリオダイゼーションです。
グラフを見ると、非線形ピリオダイゼーションが最もMAX重量が伸びていることが分かります。
高重量のトレーニングで神経系を鍛える
私たちの筋肉には多数の神経が存在し、この神経が筋肉を操っています。
1本の神経が動かせる筋繊維の数は決まっているため、より多くの神経を活動させることで、たくさんの筋繊維が働き、強い力を発揮します。
神経をたくさん活動させるには日ごろから神経をたくさん使うトレーニングをする必要があります。
具体的には、MAX重量の80~90%扱う高重量トレーニングで神経系を鍛えることができます。
▽神経系や瞬発力について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
重量を徐々に増やして強度の高いトレーニングを行う
体を慣れさせないには非線形ピリオダイゼーションが有効だと話しましたが、いくら非線形にしても毎回同じ強度でトレーニングをしていたら成長はしていかないでしょう。
そこで筋トレの大原則である「漸進性過負荷の原則」にならってトレーニングを行うことが大切になります。
漸進性過負荷とは「前回よりも少し強い負荷をかけてトレーニングすること」です。
負荷にはいろいろな種類がありますが、一番わかりやすく、負荷を強めていきやすいのが「重さ」です。
トレーニング毎に重量を増やしていき、体を重い重量に適応させていきましょう。
▽漸進性過負荷の原則についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
停滞期を打破するトレーニングプログラム
今まで何度も停滞期を経験し、そのたびに試行錯誤して何とか成長を続けていきました。
そんな私が、そもそもなぜ停滞期が来るのかを考えて、トップアスリートたちのトレーニング方法を学びながら作り上げたトレーニングプログラムをご紹介したいと思います。
私はこのトレーニングプログラムを行い、週一回だけのベンチプレスでMAX130kgに到達しました。
また筋肉も順調に成長してきています。この写真は私たち夫婦の肉体です。(2019年)
このトレーニングプログラムを使えば、短期間で私たちのような体を手に入れることができるはずです。
停滞打破トレーニングプログラムの内容
早速トレーニングプログラムの内容を説明していきたいと思います。
このトレーニングプログラムは3つのフェーズそれぞれで筋トレの内容を変えていきます。
「中重量」→「高重量」→「低重量」の3フェーズを順番に繰り返していく非線形ピリオダイゼーションのプログラムです。
さらに3セットの合計レップ数が一定以上に達したら、重さを上げていくというルールを作ることで、漸進性過負荷の原則の通りにトレーニングを行うことができます。
フェーズ1(1回目のトレーニング)
- 1セット目:MAX60%×10レップス
- 2セット目:MAX80%×限界回数
- 3セット目:MAX80%×限界回数
- 4セット目:MAX80%×限界回数
メインセット(2~4セット目)の合計で30レップスを目指す。
30レップス以上できたら次回のトレーニング重量を+2.5kg増やす。
↓↓↓
フェーズ2(2回目のトレーニング)
- 1セット目:MAX60%×8レップス
- 2セット目:MAX80%×3レップス
- 3セット目:MAX90%×限界回数
- 4セット目:MAX90%×限界回数
- 5セット目:MAX90%×限界回数
メインセット(3~5セット目)の合計で10レップスを目指す。
10レップス以上できたら次回のトレーニング重量を+2.5kg増やす。
↓↓↓
フェーズ3(3回目のトレーニング)
- 1セット目:MAX50%×限界回数
- 2セット目:MAX50%×限界回数
- 3セット目:MAX50%×限界回数
メインセットの合計で60レップスを目指す。
60レップス以上できたら次回のトレーニング重量を+2.5kg増やす。
↓↓↓
(フェーズ1に戻り、以降繰り返し)
フェーズ1は筋トレの王道であるMAX80%×10レップスのトレーニングを行い、筋肉に物理的な刺激を与え、筋肥大と筋力向上の両方の効果を得ることができます。
フェーズ2は極端に重い重量を扱い、神経系を発達させ、筋力の向上を狙います。
重さになれることで、フェーズ1の重量が伸びやすくなる効果ももたらしてくれます。
フェーズ3は筋肉に化学的な刺激を与え、筋肥大を促進させます。
最近の研究では高回数のトレーニングが筋肥大に有効であることが明らかになっています。
筋トレの多くは筋繊維に小さな傷を作る物理的ストレスを与えることが多いのですが、こういったトレーニングばかりではマンネリ化してしまいます。この対策として、高回数のトレーニングで疲労物質を筋肉内に生成させ、化学的なストレスを与える方法が注目されているのです。
また軽い重量を扱う日を設けることで、フェーズ2で疲労した関節を休ませる意味もあります。
停滞打破トレーニングプログラムの考え方
上記のトレーニングプログラムは「体を慣れさせない非線形ピリオダイゼーション」と「重い重量に体を適応させていく漸進性過負荷の原則」を掛け合わせて作ったプログラムになります。
すでにお気づきの方もいるかもしれませんが、このプログラムは以前当サイトでご紹介した山本先生の「マンデルブロ・トレーニング」とスティーブ氏の「レップ・ゴールシステム」を組み合わせて作りました。
それぞれのトレーニング法については各記事で詳しく解説しています。
筋トレ界のレジェンドが考案した考え方のいいとこどりをしているので、そりゃ効果があるわけですね。
2つとも非常に参考になる考え方なので、お時間あるときに見てみるとより筋トレに詳しくなれるでしょう。
停滞を感じたらトレーニングの見直しをしよう
停滞期を感じた時の対処法や具体的なトレーニングプログラムについて解説してきました。
停滞期を感じた時こそ今のトレーニングプログラムを見直す絶好のチャンスです。
これを機に新しいトレーニング法にチャレンジしてみてください。
ここまでの内容をまとめました。
まとめ
- 停滞期の主な原因は「体が刺激になれてしまったこと」と「トレーニング強度が低いこと」
- 慣れ防止には「非線形ピリオダイゼーション」が有効
- 強度の低下防止には「漸進性過負荷の原則」を意識することが大切
停滞打破のプログラムは強度が非常に高いので、サプリメントも有効活用して、オーバートレーニングにならないように注意してください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた!
参考文献
[1]Nonlinear periodization maximizes strength gains in split resistance training routines. J Strength Cond Res.2009.