筋トレに関する知識をネットで検索すると、読み切れないくらい多くの記事がヒットします。
でも個別の知識が多くて、筋トレを始めたばかりの人には理解しにくい部分が多いと思います。
特に私が筋トレ初心者だったころは、深い知識が欲しいのではなく、幅広い知識が書かれた指南書みたいなのが欲しいなと思っていました。
この記事では、4年間トレーニングしてきた実経験と近年の研究結果を元に筋トレ方法をまとめていきます。
具体的には、次の5つの項目を説明していこうと思います。
- 筋肥大のメカニズム
- 鍛えるべき部位と種目
- トレーニングの方法と秘訣
- プロテインの選び方と摂取方法
- 筋トレに効果的なサプリメント
この記事を読むと分かること
- 正しい筋トレ方法
- トレーニングの秘訣
- 筋トレに必須のサプリメント
目次
【本題に入る前に】この記事通りに鍛えるとこうなる
筋トレ方法を説明していく前に、この記事の通りに鍛えるとどうなるか見ておきましょう。
次の写真が私と妻の身体です。
写真撮影時で私は25歳・筋トレ歴3年、妻は24歳・筋トレ歴1年です。
3年のトレーニング歴のうち最初の1年間は何も考えずただジムに通っていただけなので、きちんと鍛えた期間は2年です。妻は今回紹介する内容に近いトレーニングを1年行った身体です。
お互いにベストなトレーニング法、食事、サプリメントに至るまでに時間がかかってしまったため、最初からこの記事通りにトレーニングすればもっと短期間でもっと良い身体を手に入れることができます。
筋トレで筋肉が大きくなるメカニズム
筋トレで筋肉が大きくなるメカニズムは超回復理論が有名です。でも実は超回復理論は間違った考え方なのです。
本当の筋肥大メカニズムは体のストレスに対する適応反応です。
筋肥大メカニズム=ストレスに対する適応反応
- 適切なストレス量:少しでも筋肉痛がくれば十分
- ストレスの種類:高重量トレによる物理的ストレス、高回数トレによる化学的ストレス
- 回復期間:72時間(中3日)
ストレスを与えれば与えるほど筋肥大が起こるわけではなく、ある一定値(限界)を少しでもこえれば十分な筋肥大が起きます。
むしろ追い込みすぎはオーバートレーニングといってケガをしやすくなったり、筋肉が分解されてしまうため逆効果になります。
従来までは高重量のトレーニングでないと筋肥大されないと考えられてきましたが、低重量でハイレップス(高回数)のトレーニングで乳酸をためることでも化学的なストレスが加わり筋肥大することが分かっています。
トレーニングでは「高重量×低回数」と「低重量×高回数」を種目ごとに使い分けてトレーニングするといいでしょう。
鍛えるべき部位とトレーニング種目
筋肥大のメカニズムがわかったところで次は筋トレで最も大事なトレーニング種目をご紹介します。
大胸筋
- ベンチプレス
- インクラインベンチプレス
背中
- 懸垂orラットプルダウン
- デッドリフト
腕(特に男性)
- アームカール
- ハンマーカール
- トライセプスエクステンション
- ナローベンチプレス
肩
- サイドレイズ
- フロントレイズ
- フェイスプルorリアレイズ
脚
- スクワット
- デッドリフト(レッグカール)
- (カーフレイズ)
お尻(特に女性)
- スクワット
- ヒップスラスト
筋トレで鍛えるべき部位は男女で少し異なり、男性はお尻を鍛える必要はあまりなく、女性は腕を鍛える必要がありません。
どんな体を目指すかによっても変わりますが、男性のトップフィジーカーでもお尻を鍛えていない人が多いです。女性の場合は腕が太くなってしまうという理由から腕トレを除外することが多いです。
どちらの場合でも補助的に使われている筋肉なので、全く鍛えられないということはありません。
詳しくは次の記事で
トレーニングプログラム
トレーニングプログラムは漸進性過負荷の原則にしたがって組んでいきます。
漸進性過負荷の原則とは「前回よりも少し強い負荷をかけてトレーニングすること」です。
毎回同じ負荷をかけてトレーニングしては、体はそのストレスに慣れてしまい、やがてストレスだと感じなくなってしまいます。ストレスを感じなくなると筋肥大が起きなくなるので、せっかくのトレーニングが台無しになってしまいます。
この漸進性過負荷の原則にしたがって行う最もメジャーな筋トレプログラムがこちらになります。
必ず覚えておきたいトレーニングプログラム
- 重量:MAXの75~80%
- 回数:8~10レップス
- セット数:3セット
- インターバル:3~5分
- 補足:毎回レップ数もしくは重量の記録更新を目指す
最も大事なのは、赤字で書いた毎回記録更新を目指すことです。前回のトレーニングよりも一回でも多く、少しでも重くすることが体にストレスを与える一番の方法です。
まずは8回が限界となる重量でトレーニングを行い、毎回レップ数の更新を狙ってトレーニングします。数回目のトレーニングで11レップスできるようになったところで、重量を+2.5kgに変えます。あとは同じことを繰り返していくことで停滞期を感じにくくなります。
初心者のうちは毎回トレーニング内容を変えてしまうと、重量や回数で前回の自分を超えることができたかが分かりにくくなってしまいます。きちんと体にストレスを与えられているかの指標を作る意味でも上記のトレーニングプログラムを中心に鍛えるようにして下さい。
トレーニング歴が1年以上だったり、上記のトレーニングプログラムで伸び悩むようになった場合は下記方法にチャレンジしてみて下さい。
中~上級者向けのプログラム
トレーニングの秘訣
ここではトレーニングの秘訣についてまとめていきます。
秘訣についてはここでは語りきれないくらいあるので、まずは大事なものをピックアップして紹介します。
興味がある方はその他の項目も参考にして下さい。
効率の良いトレーニング法
私が4年間筋トレをしてきて感じた効率よくトレーニングを行う方法は次のようになります。
効率よくトレーニングを行う秘訣
- コンパウンド種目メインで使用重量を伸ばしていく
- トレーニングボリュームを減らす
- フリーウェイト中心に行う
- 食事量を増やす
- 高タンパクな食生活を意識する(体重×2g以上)
コンパウンド種目とは多関節種目とも呼ばれ、複数の関節が関与するトレーニングのことです。
例えば、大胸筋の種目であるベンチプレスは肩関節、肘関節と複数の関節が関わる動作を行います。関節が複数動くということはその分使用される筋肉が多いことを意味します。ベンチプレスでは大胸筋だけでなく、三角筋前部、上腕三頭筋も使用されます。
このようなコンパウンド種目は高重量を使用できるため、筋肉に大きな刺激を与えることができます。また一気に複数の筋肉を鍛えられるので、トレーニング時間の短縮にもつながります。
筋トレを始めて少なくとも1年はコンパウンド種目をメインに対象筋を追い込むようにしましょう。
ある程度バルクがついてくると筋肉への利かせ方もわかってくるので、単関節種目(ex.ダンベルフライ)を取り入れて自分の目指す身体を目指していきましょう。
詳しくは次の記事で
毎回記録をとる
トレーニングにおいて毎回記録を残すことは非常に大事です。
漸進性過負荷の原則についてのお話しをしましたが、記録を残していないと前回何キロの重量を扱ったか、何レップスできたかが分からなくなってしまいます。
これを防ぎ、毎回質の高いトレーニングを行うためにトレーニングノートを作りましょう。
詳しくは次の記事で
疲労回復
筋トレを始めると、日常生活にも支障をきたすほど疲労が蓄積されます。
筋肉痛だけならまだいいですが、風邪を引きやすくなるなど体調不良に陥りやすくなります。これを防ぐためには正しい疲労回復方法を実践する必要があります。
疲労回復方法
- トレーニング前後にプロテインを摂取する
- トレーニング前後に炭水化物(糖質)を摂取する
- 毎朝・夕食前にマルチビタミンを摂取する
- トレーニング後にクエン酸やビタミンB1+アリシンを摂取する
- トレーニング後と就寝前にグルタミンを摂取する
- 8時間睡眠を心がける
詳しくは次の記事で
その他
詳しくは次の記事で
プロテイン
プロテインの選び方
筋トレに必須といっても過言ではないのがプロテインです。
プロテインは何か特別に筋肉を増やすサプリメントではなく、ただのタンパク質です。
筋肉を作るのはこのタンパク質で、トレーニング後にタンパク質を摂取することで筋合成が開始されます。
筋肉を増やすことに着眼するとホエイプロテインが最も優れています。
ホエイプロテインは必須アミノ酸BCAAが豊富に含まれており、吸収が速いためトレーニング直後の一番筋肉が合成されやすい時間帯にタンパク補給することができます。
プロテインにはソイプロテインやカゼインプロテインがありますが、まずはホエイプロテインを選ぶようにしましょう。
ホエイプロテインも色々な種類がありますが、そのほとんどは人工甘味料や香料など体に悪影響をもたらす原料をたくさん使っています。プロテインは筋トレをしている限りずっと飲んでいくものなので、なるべく安心できる原材料を使用していて、安価なものを選ぶようにして下さい。
Amazonで簡単に購入できるボディウィングは国内最安かつ人工甘味料フリーの優れたプロテインです。
プロテインの味がどうしてもダメだって方はこちらのプロテインを試して下さい。
人工甘味料は使用していますが、ホエイにありがちな甘ったるさやミルク感がなくスポーツドリンク感覚で飲めるプロテインです。私が今まで飲んだ中で最も美味しいプロテインです。この味は唯一無二です。
詳しくは次の記事で
- 【簡単プロテイン診断】あなたにおすすめのプロテインはこれだ!
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プロテインの摂取方法
プロテインの摂取方法は少しやっかいなので、次の表を参考にして下さい。
時刻 | トレーニングを行う日 | トレーニング翌日 | トレーニング翌々日 |
6:00 | 朝食 | 朝食 | 朝食 |
9:00 | ホエイプロテイン20g | ホエイプロテイン20g | |
12:00 | 昼食 | 昼食 | 昼食 |
15:00 | ホエイプロテイン20g | ホエイプロテイン20g | |
18:00 | トレーニング | ||
19:00 | ホエイプロテイン20g | 夕食 | 夕食 |
20:00 | 夕食 | ||
22:00 | ホエイorカゼイン20g | ホエイorカゼイン20g | ホエイorカゼイン20g |
23:00 | 就寝 | 就寝 | 就寝 |
プロテインを飲むタイミングですが、下記の3つが筋肥大に効果的だと研究から明らかになっています。
- トレーニング直後
- トレーニング24時間以内
- 就寝前
トレーニング直後のゴールデンタイムが最も筋肉の合成が起こりやすい時間ですが、その後24時間以内も筋合成が活発に行われるので、こまめなタンパク補給が必要です。
一度に摂取するプロテイン量は20gでも40gでも筋合成速度が同じだった研究結果があります。
トレーニングを行った日は3時間おきにプロテインを20gずつ飲むのが良いでしょう。
プロテインの摂取方法
- トレーニングをした日:3時間おき+トレーニング後+就寝前に20g
- トレーニング翌日:3時間おき+就寝前に20g
- トレーニングをしない日:就寝前に20g
詳しくは次の記事で
筋トレに効果的なサプリメント
マルチビタミン
筋トレを始めたらマルチビタミンを必ず飲むようにして下さい。
運動で効率よく糖質・脂質をエネルギーに変換するにはビタミンの存在が必要不可欠です。
さらに筋肉を合成するときにもビタミンBが必要になります。
このようにビタミンは筋トレでたくさん消費されてしまうため、不足すると筋肥大を阻害するだけでなく、肌の修復、活性酸素の除去といったビタミンの本来の役割が果たせない可能性もあります。
健康維持のためにも必ず必要なサプリメントです。
グルタミン
筋トレはストレスだとお話ししましたが、人間は強いストレスを感じるとストレスホルモン「コルチゾール」を分泌します。
このコルチゾールは筋肉を分解するやっかいものですが、十分な量のグルタミンを摂取することで、筋分解を抑えることができます。
また免疫力や消化を助ける効果をもつので、ハードなトレーニングを行う人には最適です。
グルタミンの効果
- 筋分解の抑制
- 筋たんぱく質の合成促進
- 免疫力向上
- 消化管サポート
グルタミンの摂取方法
- 飲み方:1回5gを水に溶かして飲む
- タイミング:トレーニング直後 or 起床後
グルタミンは私が最も効果を感じたサプリメントです。筋トレを始めてから体調を崩しやすくなっていたのがグルタミンを飲み始めてからは全くといっていいほど風邪を引かなくなりました。
また筋肉の成長も格段に早まりました。
詳しくは次の記事で
BCAA
BCAAは体内で合成できない必須アミノ酸のうち、特に筋肉の代謝・合成と密接な関係をもつバリン・ロイシン・イソロイシンの総称です。
BCAAには次のような効果があると言われています。
BCAAの効果
- 筋肉の合成促進
- 筋肉の分解抑制
- 筋損傷軽減
- 血液中の乳酸濃度上昇を抑制
筋トレによる疲労を軽減し、トレーニングの質を高めるだけでなく、筋肥大効果を高める役割も持っています。
BCAAの効果はトレーニング中に特に感じることができ、いつもよりもレップ数を増やすことができました。
詳しくは次の記事で
クレアチン
筋トレ中に使用されるエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)から得ています。しかし筋肉にはわずかしかATPが存在しないため、すぐに枯渇してしまいます。
そこでクレアチンリン酸系と言う反応でATPを合成します。この時に使用されるのがクレアチンです。
つまりクレアチンが筋肉内たくさん存在すれば、それだけエネルギー源が多くあるということになります。
これは拳上回数の増加やMAX重量アップにつながるとされています。
私もクレアチンサプリを試したのですが、残念ながら効果を実感することはできませんでした。
ただクレアチンは多くの人が効果を感じており、その安全性も高いことから一度は試してみるといいかもしれません。
クレアチンの飲み方や安全性については下記記事を参考にして下さい。
サプリメントの摂取方法
代表的なサプリメントの摂取方法を一覧にしました。
上記で説明したサプリメント以外のサプリを飲む際はこの表を参考にして下さい。
栄養素 | 摂取タイミング |
ビタミンA | 食後 |
ビタミンB | 食後orいつでも |
ビタミンC | いつでも(こまめに複数回) |
ビタミンD | 食後 |
ビタミンE | 食後 |
ビタミンK | 食後 |
難消化性デキストリン | 食前 |
アミノ酸 | 運動前、運動中、運動後 |
乳酸菌 | 食後 |
鉄 | 食後 |
プロテイン | 朝、運動後、就寝1時間前 |
オメガ3 | いつでも |
サプリメントの選び方については下記記事を参考にして下さい。
詳しくは次の記事で
トレーニング中の飲み物
トレーニングの質を高めるためにはワークアウトドリンクが必要です。
先ほどご紹介したサプリメントを使用することで簡単に自作ワークアウトドリンクを作ることができます。
次の材料をシェイカーに入れて良く振るだけで完成します。
ワークアウトドリンクの材料
- 水:500~1000mL
- アクエリアスマルチビタミン:1/2~1袋
- グルタミン:5g
- クレアチン:5g
- BCAA:5g
このワークアウトドリンクを飲んでから、トレーニング中の疲労が軽減し、集中力が長続きし、最後のセットでも力を出し切れるようになりました。
自作ワークアウトドリンクを飲んで実感した効果
- トレーニング中に疲れを感じにくくなる
- 1時間以上のトレーニングでも集中力が続く
- 最後のセットでもレップ数が落ちにくい
- 筋肥大が速くなる
詳しくは次の記事で
摂取カロリーと栄養成分
筋トレには高タンパク質な食生活を続ける必要があります。
目安は次の通りです。
1日に必要タンパク質=体重×2g以上
これに加えてバルクアップ(筋肥大)したい場合は、摂取カロリー>消費カロリーになるようにします。
ダイエットしつつ筋量を維持したい場合は、高たんぱくな食事を続けながら、消費カロリー>摂取カロリーになるようにします。
目安カロリーやマクロ栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)のバランスを計算で出すのは難しいので、下記の計算フォームを活用して下さい。
詳しくは次の記事で
最後に
かなりボリュームのある内容になってしまいました。
初めてトレーニングを行う方は一度読んだだけでは、頭に入ってきにくいかもしれません。そんなときは詳しく記載した記事を読んで少しずつ理解を深めてみて下さい。